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人食いバクテリアの患者数が過去最多のペースで発生 [健康・医療]

国立感染研究所の発表によると、通称名「人食いバクテリア」とも呼ばれている
「劇症型溶血性連鎖球菌感染症(STSS)」の患者数が5月27日時点で851人発生
ということで、今の段階ですでに昨年一年間の941人の90%に達しています。
昨年同期と比較すると約2.8倍のペースで、過去最多を更新するのは間違いない
という状況になっています。



溶連菌は主に喉の粘膜に感染するもので、急性咽頭炎が一般的な病名なんですが
怪我をしている皮膚から感染して、血液や筋肉組織に侵入して劇症化することで
発病から症状の進行が非常に急激になり発熱、悪寒といった症状から、筋肉周辺
組織の壊死、血圧低下や多臓器不全を発症してショック状態に陥り、早い場合は
発病から数十時間で死に至ることも少なくない危険な感染症で、致死率は約30%
感染力の高い毒素の強い株が関東地方で検出数が増えています。


予防方法が特に確立されているわけではなく、予防接種もありませんから靴擦れ
や小さな傷であっても傷口の消毒や傷口を清潔に保つことが重要です。

年齢的には高齢者(65歳以上)の症例が多いので、転んだり足をぶつけて怪我を
したとか、水虫の掻き傷なども注意が必要で、介護が必要な人の場合は足の裏の
清潔が保たれているかの確認が必要です。



病院で診察してもらっても初期段階では早期の診断は難しいので、怪我をした後
普段と違った強い痛みがあったり、患部(足)が赤く腫れる、39度の発熱などの
異常がある場合は、早急に診察を受けて早期に抗生物質を投与して治療を始める
ことで重傷化を防ぐ確率が高まりますが、治療が遅れると患部が壊死してしまう
ために切断が必要になったり、命が危険になるので日頃の観察が重要です。

この人食いバクテリアと呼ばれる症状はあくまでも劇症化した溶連菌によるもの
で、その症状(感染によって患部を壊死させてしまう)から、人食いバクテリア
と呼ばれていますが、海外ではフォーラーネグレリアという、温かい真水に繁殖
するアメーバの一種によって数か月の間に10人以上が死亡した例があります。



フォーラーネグレリアは、主に鼻の粘膜から人の体内に侵入して脳組織に侵入し
脳を食い荒らし(脳の細胞を死滅させるためにこのような表現をされています)
致死率が99%の原発性アメーバ性髄膜脳炎を発症させます。

現在までのところ日本では同じ症例は報告されていませんが、真水の環境に生息
していますから、熱帯魚の輸入時、海外からの食用淡水魚(キャットフィッシュ
やティラピア)の輸入時に水の中に存在するかもしれません。

溶連菌もフォーラーネグレリアも真水の中に存在していますので、傷がある場合
はプールや川、湖沼などに入らないことが唯一の予防になります。
これから暑くなるので水遊びの機会が増えますが、足を怪我しないように、特に
自然の川や湖沼に入る時は、裸足で水の中に入ることは避けた方が安全です。


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青い森のヨッチン

溶連菌自体は一般的なものだけど劇症化するととんでもない事態になるのが恐ろしいところです。
by 青い森のヨッチン (2024-06-02 10:32) 

suzuran

青い森のヨッチンさん:
コメントありがとうございます。

特に水辺や沼地で足を怪我すると溶連菌も怖いですが、破傷風も怖いので
サンダル履きでは水のある所には行かないようにしています。

サンダルで古釘を踏み抜いて大怪我をした人が実際にいたので、河原とか
危ないと思います。
by suzuran (2024-06-02 22:49) 

溺愛猫的女人

死亡率が高くて怖いです。
by 溺愛猫的女人 (2024-06-03 10:45) 

mayu

コワいですね。
どこにでもいる溶連菌が、どうして劇症化するのでしょう。
by mayu (2024-06-03 12:33) 

わたし

これ、とってもこわいんです
先日、鶏もつを切っていて「しみる!」と思ったら手に小さな傷(紙で切った)があり、すごく怖くなり水で流して抗生物質の軟膏をつけましたが、数時間不安でした(-_-)


by わたし (2024-06-03 17:54) 

suzuran

溺愛猫的女人さん:
コメントありがとうございます。

死亡率が高いことも怖いのですが、一般的な咽頭炎を起こす菌が明確な
理由もなく劇症化することが怖いです。

酷い場合は、朝までは普通に会話をしていたのに突然発症して翌日には
体を支えてもらえないと動けなくなる人もいるようです。
医師は症例から治療法を模索しますが、その流れよりも速いペースで
症状が進んでちり用が追い付かなくなるケースもあるとか。

まず、怪我をしないというのが第一の予防かも知れません。

by suzuran (2024-06-03 21:05) 

suzuran

mayuさん:
コメントありがとうございます。

国立感染症研究所の劇症型溶血性連鎖球菌感染症についての解説を
読んでも明確にこれが原因だと特定できるものがないようです。

新たな溶連菌の亜種が出来ているということはなく、咽頭炎の原因と
劇症型溶血性連鎖球菌感染症の原因菌は同じようです。

考えられる理由としては感染症に対する対策が進んだことで、溶連菌
自体に感染するリスクが減ったため、溶連菌に対する免疫力が低下し
劇症化するのではないかという仮説はあるみたいです。

他に確認はされていませんが、外国から新しい溶連菌が侵入してきた
という見方もありますので、原因を特定して劇症化を防ぐ方法を確立
するまでには、まだ当分は時間がかかりそうです。

by suzuran (2024-06-03 21:18) 

suzuran

わたしさん:
コメントありがとうございます。

紙で手を切ると痛いですよね。
カッターナイフなどの薄い刃の刃物で手を切った時とかなり違います。

内臓は雑菌も多いので、アルコール消毒をしたり、調理用のゴム手袋
を着けることをお勧めします。


by suzuran (2024-06-03 21:27) 

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