ランナウェイズ【2011年・アメリカ映画】U-NEXT 見放題 [シネマクラブ]
ツアーで回って、公演先の各地で女性ファンがバタバタと失神していたことを
記憶の片隅に留めている方も多いのではないでしょうか。
レスリー・マッコーエンとイアン・ミッチェルは、もう鬼籍に入っています。
デレク・ロングミュアーは、小児性愛者という疑惑によりグループを抜けています。
ファンが存在すればアンチも存在する世界なので、口パク伝説の元祖みたいな
噂もたくさんありましたし、ロックは金儲けの道具じゃねえんだぜ~!なんて
今だったら鼻で笑われそうな台詞を大真面目に主張していた自称・硬派な人も
いた時代でしたが、実力はともかく人気という観点で見たら、本格的なロック
ミュージシャンが束でかかっても勝てない存在でした。
そんな頃、とりあえず外国人のグループなら、なんでも良かろうといった安易
な発想で「エンジェル」というバンドを呼んだ呼び屋さんがいましたが、まだ
それほど裾野の広いファン層は開拓できていない時代でしたから、全国ツアー
は大失敗で、ツアーは中断し、アメリカに帰れと追い返された傷心のメンバー
は寂しく日本を去って行き、外国人ハードロッカー残酷物語として業界で問題
になったなんて話もありましたが、今でも残っているウドー音楽事務所などの
一部のプロモーター以外は、いわゆる興業屋さんでしたからね、そもそもから
アーティストなんて考えはなかったと思います。
女性にはBCR(ベイシティローラーズ)で一稼ぎ、それなら男性の財布も当て
にしようかと考えたのかは知りませんが、アメリカで1枚のアルバムを出した
だけのガールズバンドが日本に招聘されて、全国ツアーをしました。
持ち歌が少ないので、コンサートの正味時間は1時間程度でしたが、大人気で
全国を回り、それからしばらくして解散しましたが、そのロックバンドこそが
映画化されたザ・ランナウェイズです。
アメリカ本国よりも日本でウケたのは有名な話で、さらに想定をしていた男子
よりも、カッコいい女子に憧れる女子が、大挙押し掛けたという部分も含めて
想定外の事態ばかりだった日本デビューでした。
「Cherry Bomb=チェリーボム」という原題の曲が「悩殺爆弾」といった題名
で発売されたことからも、最初はキワモノとして売るつもりだったようですが
バンドの創設者であり、後にロックの殿堂入りもしているジョーン・ジェット
の本気度はランナウェイズ解散後にこそ本領を発揮したように思います。
ガールズバンドとして活動する過程で、いろいろな出会いがあり葛藤があって
女性特有の嫉妬とか感情が女性だけのバンドであるだけに横溢して、華やかに
活動して、無鉄砲な青春時代を過ごし、ロックンローラーとして認められたい
にも関わらず、アイドルとしてセクシャルなイメージを作らなければならない
という様々な場面を通り過ぎて、解散という結末を迎えた映画でした。
ランナウェイズを成功に導くことは出来なかったけれど、大好きな道を進んで
女性ロッカーとして成功したジョーン・ジェットとシェリー・カリーの愛情も
チラッと表現されていて、実話に忠実かはわかりませんが、そんなことも多分
あったんだろうなと思わせる映画です。
前はU-NEXTで観られましたが、今は見ることが出来ません。
ただ、数か月のローテーションで復活することが多いので会員登録していれば
見放題の条件で見ることが出来ると思います。
コメント 0