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寿司屋の符丁の話 後編 [限定・季節の食材]

前説はすでに書きましたので、一般的な寿司ネタの符丁についてあまり長々と
した説明にならないようにサクサクと書いていくようにします。

寿司屋の腕を知るには卵焼きを食べればわかると昔は言われた玉子焼き。
符丁では「ギョク」と言いますが、これは本当の漢字では「卵」ですが、料理
で使う場合には、玉子という字をよく使うので玉子の玉=ギョクという単純な
理由でギョクと呼ばれますが、今は玉子焼きの方が普通かも知れませんね。

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一昔前は、寿司ツウと呼ばれる人は寿司屋に行ったら、まずギョクの味をみて
職人のレベルを推し量ったという話がありましたが、今では卸売市場内で営業
する玉子焼き専門店がいくつもある時代ですから、玉子焼きを食べてこの店の
大将の腕は最高だねェ!なんて言おうものなら、心の中で「いいカモが来た」
とか、「知ったかぶりの間抜け」と思われるかも知れません。


ただ、本当に玉子焼きの味を探求している寿司職人もいますから、玉子焼きの
仕込みに真剣に労力を注ぎ込んでいるお店もあります。

初めて行ったお寿司屋さんで、この玉子焼きどこの店で仕入れてるの?なんて
聞くと、別の意味で「間抜け」と思われるかも知れないので、当店の玉子焼き
は、主人が精魂込めて焼いています、と表明されていない限りは余計なことは
言わない方が平和にお食事が出来るかと思います。

飲食店に限らず、知ったかぶりは最も嫌われますので、謙虚に素直に会話する
ということに気を付けていると、こんなモノは食べられますか?なんて言って
取って置きのネタを良心的な値段で食べさせてくれる場合もあるらしいです。

自分自身は元々が人見知りするタイプなので、初めて会った人と会話をすると
いうこと自体が不得意ですし、寿司屋のカウンターで食べるほどの財力もない
ので、そういう経験はありません。聞いた話です。

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ギョク以外でよく聞く寿司ネタといえば、トロ=マグロの腹身(脂肪が多くて
トロリとした食感からトロと呼ばれていますね。)、最近はサバでもアジでも
トロサバ・トロアジという名前がついているのがありますが、そもそも水産物
に濃厚な脂を期待するのは、ちょっと違うんじゃないのかな?と、個人的には
思いますが、人それぞれなので細かいことは言いません。

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後は、タマ=赤貝(最近では、ホタテ貝柱もタマと呼んでいるのを聞いたこと
があります。)とか、シャコ=ガレージ(車庫を英語読みした発想)という話
もありましたが、何十年か前はガレージってありましたが、今の一般的な会話
の中でガレージという言葉自体が無いので、若い寿司職人にガレージと言って
通用するのかな?という懸念はあります。

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他には、エンガワ=ヒラメのヒレの根元部分で絶えず運動している部位なので
シコシコと弾力があって、尚且つ、脂もあって美味しいと評価されていますが
一尾からほんの少し(左右のヒレの部分だけ)しか取れない、という希少価値
もありますから、高級店の中には常連さん以外のお客には出さない店もあると
聞いたことがあります。(伝聞です)

回転寿司では、主にカレイ(外洋性の輸入食材)が使われていますが、ヒラメ
のエンガワとは食感・味共にかなり違いがあるように感じます。
ちなみに漢字では「縁側」で文字通り魚体の縁にある部分を示します。

他にも地域毎に異なった名称や呼び方もありますから、符丁の話を続けようと
思ったら、いつまでも延々と話題が尽きないので、そろそろ強制終了します。

sushi2023-11.jpg

年に一度ぐらいは、符丁で注文する寿司屋に行けるぐらいにはなりたいものだ
と思ったりしますが、実際に一回の食事で10万円とか考えたら行けないです。
一般市民の世界からは遥かに縁遠い存在になっていますね。


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