SSブログ

キャリー【1976年・アメリカ映画】U-NEXT 見放題 [シネマクラブ]

狂信的な母親に育てられ、学校でも目立たない容姿、いつもビクビクしながら
行動している様子から常に虐めの対象になっているキャリーが主役の今風には
ホラー映画(公開されて当時はオカルト映画)です。


1976年公開 オリジナル版


2013年公開 リメイク版


やたらと血の噴き出る映画でスプラッター映画の先駆けとも言われていますが
当時の解説では監督のブライアン・デ・パルマは外科医の息子だったので幼少
の頃から、血を見ることに慣れていたので、ホラー映画=恐怖映画には大量の
出血が不可欠という考えが、あのような映像を創らせたとされていました。


子供部屋から手術室をこっそりと覗くと、血まみれの手術の様子を見ることが
出来たので、それが当たり前の子供だったのだろうと…それってちょっと想像
が逞しすぎないか?とも思いますが、多少はそういうこともあったのかもねと
思いたくなるほど、本当に血まみれの映画でした。

後に公開された「フューリー」という映画でも、まさに血の雨が降っていると
いうような場面があったので、そういう傾向はあったのでしょう。

ハイスクールのシャワールームで、クラスの同級生に虐められていたキャリー
が、遅い初潮を迎え、生理の知識のなくて狼狽する彼女に同級生達が生理用品
を投げつけて虐めるシーンなんてのもあって、未成年の女子の怖さがリアルな
描写で表現されていて壮絶な場面でしたが、この場面は2013年に公開された
クロエ・グレース・モレッツ主演のリメイク版でも再現されていました。


1976年版


2013年版

ここで、キャリーは自身の魔性の力=サイコキネシス(念力)を目覚めさせて
極度の興奮状態になると、手を触れることなく蛍光灯を破裂させるような力を
持っていることに気付くシーンなので、映画の中でも重要なシチュエーション
なので外すことは出来ないところなんです。
※私が中学生の時、同じクラスの男子生徒が女子生徒の生理用品を教室の中で
投げ捨てるという事件がありましたが、ありゃ、この映画の影響だったのかな
と今になって思います。(その当時は狂ったか?と思いましたけどね)

母親に生理が始まったことを告げると、今度は母親が少女から女になったこと
を疎んで、汚らわしいと言って娘を虐待するわけです。
子どものままでいればいいのに、女になんかなりやがって!みたいな…。
これ、実際にされたら絶対にトラウマになると思います。

そんなこんなで、日々、虐められるわけですが、プロムパーティ(卒業の前に
高校生たちの門出を祝うダンスパーティー)の際に同級生たちの陰謀によって
一番人気の男子生徒のトミーとベストカップルに祭り上げられ、ステージ上に
登壇するわけですが、ステージに立ったキャリーの頭上からバケツ一杯の豚の
血が浴びせかけられる、という悪戯の標的になり、バケツが直撃したトミーは
気絶して倒れてしまうという悲劇が起きて、溜っていた鬱憤を全て噴き出して
超能力を覚醒させたキャリーによって、パーティー会場の中は地獄絵図に化す
というクライマックスがやってきます。


1976年版

キャリーを虐めて、超能力によって殺される役の一人として、まだブレイク前
のジョン・トラヴォルタも出演しているのが一つの見所です。


1976年版


2013年版

極限の力を爆発させたキャリーによって虐めに加担した同級生たちのみならず
教師たちも皆殺しにしたキャリーは疲れ果てて家に帰りますが、そこで帰りを
待っていた母親が用意していたのは慈愛に満ちた慰めではなく凶器の刃。

そして、全てが終わった墓地の場面で本当にビックリして死ぬかと思うぐらい
怖いラストシーンが待っていました。

女の子が女になる、その時の心の動き、想像もしていない女性器から出血する
ことによる不安、少女から大人になり体が成長して未知なる世界へと飛び出す
期待などを凝縮したのがキャリーのテーマだと後で知りました。

女の子が初潮を迎えて揺れ動く心の葛藤を疑似体験する映画だとも言えますが
今までに観た映画の中で、この作品以上に心臓がドキドキして息苦しいほどの
動悸が止まらなかった作品はありません。

クロエ・グレース・モレッツのリメイク版の方が、映像技術が進んでCGによる
特殊効果が使用されてサイコキネシスがパワーアップしていますが、外見的に
シシー・スペイセクの方が垢抜けていない本当に無力な少女のイメージが強く
怖さはオリジナル版の方が上回っていた感じはします。


nice!(37)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 37

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント






Copyright (c) 2013-2021 suzuran All right reserved