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レッド・ドーン【2012年・アメリカ映画】U-NEXT 見放題 [シネマクラブ]

99.99%ありえない、北朝鮮がアメリカ全土を占領する映画です。

ある日突然、北朝鮮の空挺部隊が田舎町に降り立ち、アメリカ全土が北朝鮮に
占領されてしまうことから話が始まリます…そりゃ無理筋だろ。
というように考えてしまうと、映画が始まった時点でもう話になりませんから
グッと堪えて続きを観ました。(忍耐が必要な映画です。)



この映画はオリジナル作品ではなく、リメイクです。
元の作品は、1984年にジョン・ミリアス監督が作った「若き勇者たち」。
冷戦時代のアメリカが、旧ソ連・キューバ・ニカラグアの連合軍に攻め込まれ
祖国と家族を守るために、ゲリラ戦を挑む若者たちを主人公にしています。


ソ連が解体し、キューバも急進的な革命政権ではない現状では設定として無理
があるということで、某大国(暗にロシアを示唆)の後ろ盾を得た、北朝鮮が
アメリカ全土を制圧という設定に変えてみました、ということなんでしょうが
空母もない北朝鮮が、はるばる太平洋を越えてアメリカまでどうやってきた?

100歩譲って、後ろ盾の大国に空母を貸してもらったとして、アメリカに着く
それまでの間に衛星から監視され、アメリカ軍の太平洋艦隊と海戦を展開して
ようやくアメリカ本土に辿り着く(100%辿り着けない)ということになって
その頃には空軍、陸軍が満を持してお待ちかね状態なわけで、朝起きたら空に
空挺部隊のパラシュートの花が咲き、なんてことは絶対にないわけです。



戦闘機もブンブン飛んで、制空権も奪われている設定ですが、1,000機以上の
戦闘機を取り揃えているアメリカに、実戦対応可能な戦闘機の数では、絶対に
勝てない北朝鮮が優位に立っている時点で、やっぱり違和感しかない。

若者たちと言っても数十人ではなく、10人にも満たない若者の仲間たち。
元軍人で銃器の扱いに詳しかったりはするものの、北朝鮮兵士側の裏をかいて
武器を調達し、テロリストグループを標榜して街中にウルヴァリンズと書いて
存在を誇示するとか、何故、わざわざ目立つことをする?ということで、この
映画はどのジャンルに属するのだろうか?とか、余計な方向に考えが行くので
ますます映画自体はつまんなくなるという悪循環。



でも、他事を考えていてもストーリーは追えるという単純なお話。
冒頭からしばらくは仲間が裏切って北朝鮮側に寝返るという、ほんのちょっと
だけの攪乱要因はあるものの裏切者はあっけなく爆死してしまうということで
ホラー映画によくあるパターンが踏襲されている感じで、スッキリ感がない。
などなど、文句を呟きつつ最後まで観たので、この辺りでネタバレ回避。

戦闘指揮に立ちあがる兄にクリス・ヘムズワース、何と言うかイラっとさせる
足手まといの弟がジョシュ・ペック、あまり重要な役とは思えませんがトム・
クルーズの坊ちゃんのコナー・クルーズも出演しています。

クリス・ヘムズワースにとっては、「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」の
踏み台のような作品なのかな?公開年から想像すると、そんな感じです。

監督のダン・ブラッドリーは、この作品以外にはなにもクレジットが無いので
一本作ってお役御免という感じなのかな、直後からマーベルのスターを主役に
映画を作れたので、もう満足して隠居したのかな?という感じです。



景気よく銃弾を撃ちまくって、爆弾ドーン!という映画なら細かい点は許すと
いうタイプの方にはお勧めですが、プロットを重要視して矛盾があるとその先
の展開が嘘っぽく見えてしらけちゃうタイプの人にはお勧めしません。
簡単に言うと、そんな映画です。


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