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愛のコリーダ【1976年・日本 フランス合作映画】U-NEXT 見放題 [シネマクラブ]

愛する男性を絞め殺した挙句、その男性の男性器(陰茎)を切り取って、肌身
離さず持ち歩くという壮絶な事件を起こして逮捕された、阿部定という女性の
通称「阿部定事件」を、純粋な愛の物語として描いたのが、この作品です。



大島渚監督が、全編ハードコア(実際に性行為をする)撮影されたため日本の
スタジオで撮影することが出来ず、フランスとの合作という形になっています
が、紛れもなく大島渚監督の作品てあり、カンヌ映画祭での非常に高い評価を
受けた作品です。(愛の国フランスならではの評価という見方もあります)

多くの人が知っていると思いますが、簡単に阿部定事件をまとめますが、実話
の部分ではなく、あくまでも映画の中の設定で話をしていきますね。


元々は芸者をしていた阿部定は、東京・中野の料亭で女中として雇われ、同僚
の中には、元芸者で娼婦として働いたことのある阿部定の過去を批判する人も
いて、職場では浮いた存在ですが店の主人である吉蔵には可愛がられるように
なりますが、やがて愛人関係になり、最初は密かに外で落ち合い、普通に情交
を交わす関係でしたが、次第に体を噛んだり、首を絞めたりする快感に嵌まり
ひと時も離れられない関係になりますが、そんな関係になれば当然、奥さんの
気付くこととなり、二人は家を出て、旅館を転々とします。

ある旅館に辿り着いた二人は、朝から夜まで交わり合い、愛欲におぼれますが
刹那的な感情に追い込まれた吉蔵は自分を殺してくれと定に言います。

吉蔵に殺してくれと言われた定は、性愛の高まりと共に吉蔵の首を絞め上げて
絞殺し、下半身部分(陰茎と陰嚢)を包丁で切り取り、自分の着物の中に大切
にしまいこみ、吉蔵の体に自分たちの名前を刻み付けて逃走します。

が、しばらく逃走した後は都内の旅館で素直に逮捕されます。
刑務所に収監後も求婚の申し込みが絶えなかったとか、伝説的な話がたくさん
残っていますが、出所後に多くを語らなかったことや消息不明になっていると
いう部分に、神秘的な部分を感じて、実際以上に話が盛られている気がしない
でもありませんが、愛人の局部をずっと持ち歩いていた「女心」が純愛として
評価されていますが、警察で局部を切り取った理由を聞かれた時には、葬儀の
前に遺体を清拭する際に、本妻が愛人の局部を触れることに抵抗があったので
持ち歩いていたと証言しているので、嫉妬の感情が強かったのかも知れないと
思われますが、本音の部分は本人にしか分からないですね。

ちなみに、愛のコリーダが海外で観客動員が多かった受けた理由の一つとして
日本人女性の女性器は横に割れているという異説、浮世絵の影響から日本人の
男性器はとても大きいという認識があり、情交の映像で、その真偽を確めよう
という意図があった観客も少なくはないとされていますが、同じ人間ですから
下半身の形が違うとか、そんなに大きさに違いは無いでしょう?と思いますが
欧米人と東洋人では視点も論点も違い、それが故に多国間協議も簡単には進展
しない理由の一つでもあるわけなので全否定は出来ないです。



監督は「戦場のメリークリスマス」「愛の亡霊」の大島渚
主演の阿部定は、松田英子という女優が初の主役で抜擢され、吉蔵は藤竜也。
実際に性行為をするという役柄のため、主演がなかなか決まらなかったものの
大島渚監督からの要請を受諾して、藤竜也の吉蔵役が決まりました。
松田英子は阿部定を演じた後、松田暎子に改名して数本の作品に出演後、引退
2011年に脳腫瘍のため58歳で亡くなっています。

同じ大島渚監督の作品では、個人的には「愛の亡霊」の方が好きでした。
「愛」を表現する映画として「愛のコリーダ」は少々難解に感じます。

この映画にインスピ―レーションを感じて「愛のコリーダ」という曲を作った
クインシー・ジョーンズは、感性豊かな人なんでしょうね。


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