無意味な浮気調査依頼

通勤途中の道路脇に大きな探偵事務所の看板があり、浮気調査をメインにして
営業しているような宣伝文句が書いてあります。



世の中には、浮気・不倫など、内緒にしたい恋愛関係は数々あると思いますが
探偵事務所による浮気調査は張り込みとか、なんだかんだと経費がかかるので
基本料金としては30-50万円が必要で、張り込み時間が伸びて残業になったり
予定外の行動範囲になったための出張料金などで実際に支払う金額は100万円
を越えることも珍しくないという現実的な部分もあります。

100万円以上の金額を支払って、見たくない写真を見せられて、財布も神経も
ボロボロという結果になってしまうこともあるわけで、そんなに利用者がいる
とは思えないのですが、それでもかなり大々的に宣伝をしているということは
依頼者もそれなりにいるのでしょう。

でもパートナーの浮気を疑った人が、浮気調査を依頼して、実際になんの証拠
も出てこなかったとしても、それで納得をすることは無いような気がします。

もしかしたら探偵が重大な証拠を見落としたのかもしれないとか、パートナー
を尾行中に追尾していることが知られてしまい、見失ったのではないだろうか
なんて疑念が次々に思い浮かんで結果を信じられないように思います。

わざわざ高いお金を出して、探偵に浮気調査を依頼するということは精神的に
相当追い詰められていると思うので、どんな報告が来たとしても、疑心暗鬼に
なってしまっていて、疑うことから逃れられないんじゃないでしょうか？

怪しいと思ったとしても、結末は知らないままの方が平和な場合もありますし
人の一生が一回限りだと思えば、そんな逢瀬があっても許してしまえるような
そんな度量があっても良いと思うんですよね。

逆に、みんながみんな、そんな大人の恋愛を大目に見る世の中になったならば
興信所なんて商売は成り立たなくなるかも知れませんから、それはそれで困る人が出るので、大金を払って調査を依頼する人も必要だということでしょう。



その結果として、例えばラブホテルから一緒に出てくる写真を付けて奥さんは
浮気をしていますという報告書が来たとします。
それで何をするのでしょうか？証拠を突きつけて離婚を迫るのかな？

どちらかというと、興信所に調査を依頼した時点で夫婦の絆は切れているもの
と見るのが普通の感覚だと思うので、わざわざお金をかけて証拠の品を揃えた
ところで、それによって復縁するなんてことは100％ないでしょう。
そこまで知っているなら話が早いわ、離婚しましょうと話は進むでしょう。



相手に慰謝料を請求するとしても、裁判になればそれまでの夫婦関係や両者の
金銭面、性生活の頻度なども曝け出して、実は裁判を起こした側に過去に浮気
があったとか、生活面で社会通念上の問題部分があるというような話が出たら
慰謝料なんて数十万円あるかどうかということになり、探偵を雇った分のお金
の方が高くつくと考えた方が良いぐらいです。

元々、日本に姦通罪はありませんから浮気は刑法犯ではありません。
あくまでも民事で争わなければなりませんし、相手が現在の夫や妻よりも余程
浮気相手を愛しています、なんて言われたら浮気相手に罪はありません。
本人が選択した恋愛の裁量権を行使しただけのことになってしまいます。

裁判の損害賠償命令は支払える能力の範囲内というのが普通なので、芸能人の
離婚裁判のように何億円もの慰謝料を請求しても、そんな判決はありません。
芸能人の場合も表面上、箔をつけるために大きな金額の話をしていますが実際
に支払われる損害賠償は三桁ぐらいまでのようです。



浮気に限らず、パートナーとの離婚を決意したのなら、証拠を作り出して無駄
なお金を使うよりも、サッサと手続きをして素早く別れてしまった方が良いと
思いますし、人間の一生は長いようで短いです。
出口の見えない無意味な戦いに情熱とお金をかけるよりも、信頼できる今後の
パートナーを探して、明るく前向きに人生を謳歌した方が余程、有意義です。
そんなわけで探偵事務所に浮気調査を依頼するのは止めた方が良いです。

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