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おせち料理の食材について-3 [限定・季節の食材]

海老:
海老の字の通り、腰が曲がる老人になっても元気で過ごせるようにという長寿
の願いを込めているのと、海老の赤色は神様を迎えるための目印の色であると
いうことで、神様の道標として海老の料理が入っています。



尚、おせち料理によく使われる車エビは尾の部分に縞々があるので尾を曲げた
状態だと車(人力車などの輪)を連想させるため、車エビという名前がついて
いますが、最近は車エビは高いのでアルゼンチン産の赤エビが使われることが
多くなっていますね。ただ、お正月の縁起ものなので伊勢エビを飾りと実用を
かねて利用する家庭も少なくはなさそうですね。


昆布巻き:
こぶ巻きという語感が“よろこぶ”に通じることから、おめでたい食材の代表的
なものとして知られていて、結婚が決まった時の結納の席でも子生婦という字
をあてて子孫繁栄の願いが込められていますが、最近は子どもの要らない人や
子供が出来なくて不妊治療にかかる人も多いので、子宝とか子孫繁栄など子供
に関わる言葉は選んで使わないとならなくなっているのが難しいですね。



昆布も海外ではほとんど食べられない食材で、国内の生産量で国内の消費量を
賄うことのできる数少ない食材の一つとされています。

産地ブランドとしては北海道の日高昆布や利尻昆布が有名ですが、日本で一番
昆布を消費地するのは北海道とは正反対に位置する沖縄県で、豚肉との相性の
良さが知られています。

ここでちょっと料理とは別の話です。
お正月の時期になると出てくるものとして、金箔を散らした料理や金粉入りの
日本酒なんてのがありますよね。

「金」の味がして美味しい、とありがたがる人もいるようですが、金は多くの
金属の中で、もっとも安定していて余計な味を感じないから、差し歯や金冠と
して使われているので、逆に言えば金によって味か美味しくなるようなことは、
あり得ないことで、実際に味覚としては何も感じないはずです。

テレビの情報番組とか旅番組の中で、数の子の上から金箔をふりかけたものを
とってもありがたがって、嬉しそうに食べていたり、一升瓶の中でキラキラと
光っている金入り清酒を飲んで、長生きできそうなんて言っている場面を見た
ことのある人は多いんじゃないかと思います。

あの辺りの感性は中国の人の価値観に似ているように感じて、中国の人を嫌い
という日本人は割と見かけますが、それって近親憎悪だよねと傍目で見ている
ことがあります。他の国の人で金歯とかあまり聞かないですからね。
というような正月の不思議な金の話はここまでにして本題を続けます。

ブリの照り焼き:
ブリという魚は、関東ではワカシからイナダ→ワラサ→ブリへと名前が代わる
出世魚の代表的な存在で、今後の人生の中でトントン拍子に出世していくこと
に願いをかけて、おせち料理の中に入っています。



ちなみに関西では、モジャコ→ハマチ→ワラサ→ブリと呼び名が変わっていく
わけですが、いつの間にかハマチと呼ばれる魚は、ブリの若魚という意味では
なくなり、養殖されたブリの代名詞的な使われ方になっている感じがします。
天然で育ったハマチを漁師が漁獲しても、養殖した魚だとして不当に低く見る
人がいるのは残念な気がします。養殖されたハマチでも飼育方法やエサの研究
によって養殖されたハマチでも脂臭さ(イワシ臭さ)はなく、抗生物質が身の
中に残っているという心配は少なくなっています。

北陸地方では、新巻鮭ではなく塩漬けにした「塩ブリ」で新年を迎える習わし
がある地域もあるので、年末のブリは特に重要な食材として扱われることから
値段も高騰する場合がありますが、ブリの旬も「寒ブリ」と言われる厳冬期に
なっているので、高くなるのも仕方ない部分はあります。

ブリの主要漁場である日本海、その中でも富山の氷見では良質なブリが大量に
獲れることで有名で、最高のブリの産地だと評価されています。

紅白なます:
大根と人参の酢漬けで、疲れた胃腸に優しい料理ですね。
祝儀袋などの水引に印象が似ているため、水引なますとも呼ばれます。



花レンコン:
レンコンは全体に穴が開いているため、ずっと先が見通せるように堅実な生活
が出来ることを祈念して、おせち料理の材料として使われています。



愛知県南西部の八開村や立田村は、レンコン栽培が大変盛んな地域で年末前の
時期になるとレンコンの収穫が忙しくなることから、冬の風物詩として毎年の
ように、地域の情報番組で紹介されています。

まだまだ、おせち料理の種類や素材はたくさんありますが、一通りは大雑把に
まとめられたと思いますので、この辺りで区切りを付けたいと思います。


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