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羽毛に包まれた肉食恐竜 [地球環境・自然・宇宙]

「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」を映画館に観に行こうと思って
いたのですが、ちょっとタイミングを逃したら吹替版しか上映していない、と
いうことになってしまいました。



声を聞いて顔(吹替をしている俳優の容姿)の想像の付く吹替版には全く魅力
を感じないので、こりゃU-NEXTに出てくるまで待つしかないのかと、残念な
気持ちになりましたが、先日、三年ぶりに搭乗したマニラ行きの国際線の機内
で字幕版が流れていたので、観たかった作品を観ることが出来ました。
ということなんですが、今回は映画の話ではなく恐竜の話です。


今回の作品でも常連さんのヴェロキラプトルのブルー、史上最強の肉食恐竜と
されるT-レックスことティラノサウルス、モササウルスなどが登場しましたが
それ以外に、今作でも初登場の恐竜も登場して恐竜好き=私は喜びました。



特に印象に残ったのが、赤い羽毛に覆われたピロラプトルでした。
今から約20年前に化石が発見されたことで、恐竜には羽毛を持つ種がいてその
子孫は鳥類へと進化したという仮説を裏付けることになりました。
そんな割と新しい恐竜の資料を研究して映画の中に登場させた、今作品の監督
コリン・トレボロウは、かなりの恐竜好きだと思います。

中国のゴビ砂漠やアメリカのモンタナ州が恐竜の化石の発掘地として知られる
わけですが、中国・遼寧省の周辺には今から1億2千万年前、体重は1.4トン
全長9メートルほどの大型肉食恐竜がいたこともわかりました。

新種とされていますが、系統的にはT-レックス系で、強い顎と強靭な後ろ足を
持ち、ティラノサウルスと同じく、物陰に隠れて獲物を待ち伏せる賢さがあり
獲物が近寄ると素早い瞬発力で獲物に襲い掛かり、鋭い爪と大きな牙を持つ顎
で相手を仕留めて新鮮な肉を得たと見られています。

私が子供の頃の恐竜の想像図は、恐竜は全体的に薄暗い迷彩色のような肌の色
で、着ぐるみのような直立姿勢で歩く姿が描かれていましたが、レーザー光線
や微量の放射線測定器などの検査機器の精密化と科学技術の発達により化石の
中から色素が検出されたり、皮膚層の厚さを推定することにより恐竜の個性が
より際立って解明されるようになった上、その様子をCGで描くことが出来る
ために、リアルな質感が再現されるようになりました。

これは「ジュラシックパーク」など、ハリウッド映画のCG技術の発展と若い
映像作家の育成に力を注ぎ、映画界の将来を見据えたアメリカなど映画先進国
の不断の努力の賜物だと思います。

このような科学的な解析によって、ティラノサウルスに対する、大きな誤解も
解消されたわけで、ティラノサウルスについては重い体を素早く動かすことは
困難なはずだという理由(研究者の個人的な推測)で主に死んだ恐竜の腐肉を
食べる白亜紀の掃除屋とされていましたが、骨格に基づいた肉付きを推定する
解析をすることにより、平地を時速40キロ程度で走る能力があったことが確認
され、顎の力は当時の全ての地球上の動物の中でも最強だったことが分かって
空腹時には、硬くて丈夫な皮膚と三本の角で守られていた、トリケラトプスの
成獣さえ襲って食べていたと考えられるようになりました。

20年前に中国で見つかったティラノサウルスの仲間の恐竜は、15-20センチの
羽毛で覆われていたことも確認されたことで、「美しい羽毛の王」を意味する
ユウティラヌス・フアリと名付けられているので、もしかしたら新しい作品に
登場するかと思いましたが、今回はもっと小さめな、ピロラプトルでした。

次回作(ジュラシック・ワールドとしては最終章になりますが、ブルーは健在
なので、ジュラシック・ネクストエイジになるのか、ジュラシック・リボーン
になるのかはわかりませんが新シリーズが出来ると思います。)では、大型の
羽毛を持つ恐竜が出てくることを期待しています。



現代に生きる私たちが、1億2千万年前に想いを馳せて、恐竜たちの営みを想像
するように、これから1億2千万年の年月が経った地球では、進化した科学者は
何の研究をしているのだろうというのも、ちょっと気になります。

多分、その頃には現在の人間の姿をした生き物は淘汰され、さらに進化をした
生物が人類に入れ替わって残っているのではないかと思いますが、実は愚かな
人類は核戦争や核事故によって早ければ数年後に死滅してしまって、進化した
クマムシが地球を支配しているのかも知れません。


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