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「ワイルド7」 【2011年・日本映画】U-NEXT見放題 [シネマクラブ]

私が少年というか小学生の頃から読んでいた、漫画雑誌の中に「少年キング」
という今では消えてしまった週刊漫画雑誌がありました。
出版元の少年画報社は細々と生き永らえているみたいですが、少年ジャンプや
少年サンデーと張り合って、漫画業界に復活することはないでしょうね。



「ワイルド7」や「サイボーグ009」「サイクル野郎」「銀河鉄道999」など
リアルタイムで購読していた頃はヒット作品があり、「サイクル野郎」により
全国にバイコロジー運動(自転車を安全に快適に利用する環境作り、とされて
いますが、当時は自転車を利用することで大気汚染を防止する、という壮大な
趣旨でした)のブームを作ったりしていましたが、編集長を成人漫画誌の担当
から異動して、作家と読者にそっぽを向かれて自滅の道をたどりました。


というような話はともかくとして、子ども時代にテレビドラマで見ていたのが
ワイルド7でした。私が少年キングを読んでいた理由の一つが、ワイルド7が
連載されていたことで、漫画が実写化されるという話が出た時には、飛葉大陸
の役は誰が演じるのか?と興味津々で待っていて、実際にドラマが放映された
時にはほぼ漫画のイメージ通りだったキャスト陣に、ちょっと感動しました。



ドラマの内容自体は、原作の壮大なストーリーの雰囲気はみじんも無くて正義
を名乗ればなんでもありのような感じの勝てば官軍的ドラマで、失望した部分
もありましたが、裁判をすることなく犯罪者を裁くことの出来るワイルド7の
特徴を的確に表現していた第一話は今なら放送禁止確実な破天荒ぶりで、それ
が逆に浮世離れしていて良かったです。

そして、あれから何十年。
新たに映画された「ワイルド7」は原作者の望月三起也氏の世界観をどこまで
再現することが出来るかと期待しましたが、妙に線の細い飛葉大陸とか、邦画
の製作時には必ずゴキブリのように出てくるジャニーズ事務所のタレントとか
映画自体の出来以前に、全然ワイルドじゃない出演者にクラクラしました。



過去を振り返っても仕方ないですが、当時のドラマを30分の枠ではなく60分
の枠で、さらに石原プロが製作していたら、今でも充分にDVDの商品にしても
鑑賞に堪えうる作品になったと思うので残念です。

YouTubeでドラマ版を見るとオートバイも正確に再現され、キャストも漫画の
イメージそのもので、それなりに原作に敬意が払われていたように感じますが
映画はワイルド7の暖簾を借りたダミー商品のフランチャイズ店のようです。

映画の内容を書いちゃうと、そんなに言うなら見てみようじゃないかという人
もヘタレちゃうかも知れないので、内緒にしておきます。
要注目は拳銃の構え方ですかね、絶対にあなた方は本物の拳銃を撃った経験は
ないでしょうと断言したくなります。残念な映画でした。

監督は「海猿」シリーズの羽住英一郎ですが、あの映画もテレビドラマで充分
なスケール感だったので、演出の才能はあまりないと断言しちゃいます。


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