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夏の疲れた身体に優しい素材=ラム肉 [限定・季節の食材]

短い夏の休日をアウトドアで過ごす時、北海道では家族や友人グループと一緒
にジンギスカンをするのが定番だそうです。(現地の人から聞きました。)
それが多くの人の共通認識なのかはわかりませんが、スーパーマーケットでは
どこの店舗でも冷凍のラム肉(味付けも、プレーンもあります)が大量に用意
されていたのは事実なので、それなりに支持者は多いかと思います。



ジンギスカン=昔の蒙古の英雄チンギスハーンが被っていた兜に似た形の鍋で
(韓国のプルコギの鍋にも似ています。)で、タレにつけた羊肉を焼く料理で
改まって説明をするまでもなく、多くの方はご存知のことと思います。


また、旅行会社のツアー(コロナウイルスの感染拡大以降は、ほぼ中止されて
いますが)で北海道に行った方は、札幌市内や千歳市にあるビール会社直営の
お店がよく知られていると思います。

ジンギスカン大好きフリークにとっては、マトンの乳臭いような独特の匂いは、
美味しさを引き立てる薬味のような意味合いがある、ということのようですが
不慣れな観光客にはイマイチ不評なため最近では独特な匂いの強いマトンより
匂いが弱くが柔らかいラム肉をメイン食材として使う専門店が増えています。

マトンとかラムとか、羊の肉自体を食べる習慣がない日本の人には、その違い
がよく理解出来ないという人もいるみたいなので、簡単にマトンとラムの違い
を説明しておきたいと思います。



羊が生まれて約1年が経過すると、人間と同じように乳歯が抜け落ちて永久歯
に生え変わりますが、一番奥の乳歯が抜けるタイミングに合わせて体内で酵素
が活性化して肉に独特の匂いがするようになります。(人間は知りません)

そのため羊の場合は生後約1年までは臭みが少なくジューシーな素材のラム肉
として供給が可能ですが、それ以降の月齢になると臭み(独特の風味)のある
肉になるためマトンという名称に変わります。

約75年前(終戦直後)、日本の畜肉が牛・豚・鶏だけだった頃に、日本国内の
蛋白質不足を補うために、オーストラリアで毛を刈ることが出来なくなった羊
の肉が援助物資として供給されたのが、羊肉を食べ始めたスタートだったため
特に、高年齢層の人達の間では羊の肉=臭くてまずい肉という記憶だけが鮮明
に残っているといたために羊はマズいという伝承が残ったようです。

欧米諸国や中近東等では、宗教上の理由もあって羊肉をよく利用しますが日本
においては、宗教上で禁忌の肉はないため、臭くてまずい肉というイメージが
強いこともあってなかなか需要は伸びない時期が数十年続きました。

ところが、最近の研究結果から羊や山羊の肉、乳はヒトとの相性が良く食べた
際のアレルギー反応が出にくい(アレルゲンにならない)ことが分かったほか
癌や血栓症などの生活習慣病を予防し、老化防止に役立つといった効能が発表
されたために以前に比べるとかなり需要が増えていて価格も高騰しています。

ただ、牛肉も羊肉も動物の肉には違いはないわけですが、どうして羊肉だけが
身体に優しいと言われているのでしょうか。



まず、羊肉に含まれる栄養素が非常に多彩であるということが挙げられます。
蛋白質は牛、豚よりも幾分少ないのですが、必須アミノ酸の含有量が多いこと
そして、ビタミン類やミネラルも含めた場合ドッグフードのCMのようですが
最も理想的なバランス栄養食とされています。

また、羊肉の脂肪は人間の体温では溶けにくいために、人の身体の中では吸収
されにくいという特性も持っているので、高脂血症など生活習慣病の原因には
なり難い食材とも言えるわけです。

最近ではラムの評価が高まると共に、ラム肉自体の値段も上昇していてかなり
高価な高級食材になってしまい、特に骨付きのラムチョップは高いですね。



ちなみに、熟成前の肉は透明感があり、生ハムのような外観ですが熟成が進む
につれて濁った色に変化をはじめるという特徴がありますから、あまりきれい
な肉は鮮度が良すぎて肉自体の旨みが、引き出せていない可能性があります。
そういう場合は冷蔵庫で熟成させると美味しさが引き立ちます。

お財布には全く優しくないのですが、身体には優しい肉ですから夏バテ防止の
食材としても積極的に利用したい食材が羊肉です。
北海道の人は体験的によくご存じなのでしょうね。


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