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亡くなっていたジミー・ウォング [訃報・追悼]

今の映画ファンの中でジミー・ウォングを何人の人が知っているかと考えたら
かなり少ないだろうな...ということで、その事実を反映するかのように死去の
報道が日本ではなかったので、亡くなっていたことを知りませんでした。
台湾では王羽(ワン・ユー)として知られています。



ブルース・リーがカンフー映画ブームを作り出した当時(その時点で、主役で
あるブルース・リーは他界していましたが)、「燃えよドラゴン」よりも前に
香港、台湾で公開されていたカンフー映画に主演していたジミー・ウォングや
ブルース・リャンなどの映画がバタバタと駆け足で公開され、実際にはあまり
見向きもされないまま消えていきました。




その後、ジャッキー・チェンが泥臭いカンフー映画から、アクションコメディ
へと昇華させた香港映画は安定した人気作品が出てくるようになり、その中で
ジャッキー・チェンと共演していたジミー・ウォングは、カンフー映画時代の
生き残りとして香港映画や台湾映画の出演を続けていました。

ジミー・ウォングが主演として出演した映画で日本で公開された作品はあまり
ありませんが、1976年から香港・台湾映画にヤラレテいた私は「スカイハイ」
「片腕ドラゴン対空飛ぶギロチン」など、クエンティン・タランティーノから
お気に入りだとされている映画は映画館で観ています。
※中国に返還された後の香港映画はあまり観ていないので、わかりません。





日本の俳優では勝新太郎と共演して「座頭市」に出演していますし、現在でも
一部の人からは香港人だと思われている倉田保明さん(日本人なので香港映画
では悪役ばかり)とも共演しています。

2016年にタイを旅行中に空港で脳出血を発症して倒れ、タイの病院から台湾
まで空路搬送されて、二度目の脳出血を開頭手術によって乗り切った後、台北
市内の振興医院で療養生活を送っていましたが、2022年4月5日に79歳で死去
していたことを知りました。

ブルース・リーのようなキレとスピードはなかったために、一撃必殺のナタの
切れ味がなく不満を訴える映画ファンもいましたが、何度かパンチだキックだ
と相手に打ち込まなければ相手が倒れない辺りが、普通の強い人だったことで
別の意味のリアリティを感じていました。



映画界で目覚ましい実績を残したわけではありませんが、出演映画の中で人を
殺した人数は2477人で世界ランキング1位なんだそうです。
ちなみに2位はミラ・ジョヴォヴィッチの1292人なので、世界ランキング1位
を譲ることは当分なさそうな感じです。



亡くなってしまったので、時効というか言える話ですか、台湾では黒社会との
繋がりが強く、高級クラブで面識があったかどうかは知りませんが、他の客を
殺せと指示したとして殺人教唆の容疑で逮捕されたことがありましたが、逆に
ジャッキー・チェンが香港マフィアに殺害予告を受け(香港マフィアに身辺の
警護をさせろ=要するに金を要求されて断ったために命を狙われた)アメリカ
に逃亡していた時(アメリカで、キャノンボールやレッド・ブロンクスなどの
作品に出ていた頃)に香港マフィアとの仲介を取りまとめたのも裏社会で実力
を持っていたジミー・ウォングだと言われています。

出演映画の中だけでなく、リアルな世界でもっとも多くの人を殺している俳優
はジミー・ウォングだったかも知れません。


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