シンガポールでデング熱が「緊急事態」 [健康・医療]
治療を行えるレベルになってきたという感じなんですが、世界27カ国で780人
が感染していることが確認されたサル痘(動物由来の感染症で、人から人への
感染はしないとされています)の流行や、アメリカでは毎年の時期から夏へと
かけて人食いバクテリアによる死亡例が報告されていますので、元々、人間は
感染症や微生物の攻撃からは逃れられないもののようです。
日本ではサル痘の患者は確認されていませんが、数年前には東京都内の公園で
殺虫剤による虫退治が行われるほど、蚊が媒介するデング熱の患者が増加して
一時的にですが、騒ぎになったことがありました、もう忘れたかな。
デング熱の場合は、人から人への伝染は例がないとされていて、感染した場合
であっても死ぬようなことはあまりないのがデング熱の特徴でした。
ところが、今年はシンガポールで既に11,000人の感染者が出ていて、昨年1年
の症例である5,258件を超えていて緊急事態の対応が始まるようです。
地球の温暖化によって、デング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカ
の活動範囲が広がっているため、熱帯のシンガポールから温帯とカテゴリー化
されている日本においても蚊の繁殖によって再び、デング熱が流行する危険性
は低下どころか高まっています。
シンガポールでは昼間に蚊に刺されるとデング熱が心配で、夜になってから蚊
に刺された場合は、マラリアの危険性があるとされていますが、日本国内でも
海外渡航者の水際対策を緩和すると言っているんですから、日本国内でも蚊は
一般的ですからね、要注意というレベルではなく、突然のにわか雨で水たまり
が出来さえすれば繁殖することが出来ることも考えなければいけません。
デング熱の症状としては、発熱、頭痛、筋肉痛が出ますが、基本的には死亡に
至る例はそんなに多くはないということになってはいますが、重症化した場合
粘膜からの出血によって鼻血が出たり、さらに酷くなると多臓器不全の状態に
なって死亡することもある病気ですので、あまり悠長に構えてはいられないと
いうのが、シンガポールの感染状況です。
ただ一つ、一般の感染症よりも危険性が低いのは、人から人への感染例はない
という部分なんですが、デング熱を持った蚊が同じ場所で数人の人を刺したら
人から人の感染はなくても、患者数は増えますからね、まずは蚊を見つけたら
博愛精神など発揮することなく、蚊の駆除を第一に考えなければなりません。
ちなみにデング熱は予防ワクチンはありませんし、いわゆる特効薬に該当する
医薬品はありませんので、感染した場合は対症療法しかありません。
ですから蚊に刺されないのが唯一の予防法になっていますが、その理由の一つ
として熱帯地方特有の病気だと考えられていたために、先進医療の知見のある
国々では他人事と考えられて真剣に治療法を考えてこなかったことも緊急事態
を宣言するような深刻な事態を招いているのではないかと思いますが、人間は
それほど優秀な生き物ではないようなので、致し方なしかな。
地球上で生きている限り、感染症リスクから逃れることは出来ないようです。
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