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2022年 天皇賞・春 [競馬]

現在のJRA(中央競馬)主催で、もっとも長い距離を走るレースは、毎年12月
に開催されているステイヤーズステークスで、3,600mを走ります。
旧来の競馬は長距離で強い馬が優駿だとされていたため、距離の長いレースで
強い、いわゆるステイヤー血統の馬が重宝されました。



社台ファームで繋養されていた、リアルシャダイ(ライスシャワーの父)とか
メジロマックイーンなどがステイヤー血統とされていて、短距離を得意とする
マイラーとか、スプリンター系のレースは、レース自体が少なく、賞金も低め
で、競馬界全体として、短距離適性の馬は軽く見られる時代が長かったように
感じていますが、間違ってはいないと思います。


日本ダービーの2400mがクラシック・ディスタンスと呼ばれ、天皇賞・秋とか
大阪杯などの2000mが、チャンピオン・ディスタンスと呼ばれて世界標準的な
見方をされるようになってきたことで、3,000mを超える距離を競い合う国際
格付けGⅠのレースはオーストラリアで開催されるメルボルンカップと、次の
日曜日に開催される天皇賞・春の3,200mだけになりました。

その他の国際GⅠレースはほとんどが、2,000mか2400mで、オーストラリア
で開催されるジ・エベレストや香港スプリントのように、1,200mの短距離の
レースが増えてきているので、菊花賞や天皇賞・春も何年か後には距離短縮に
なるようなことがあるかも知れません。

一昔前は重宝がられた、菊花賞や天皇賞・秋で勝っている馬が、種牡馬として
活躍できない時代が来ることは、想定されていなかったと思います。
キタサンブラックのように初年度から活躍馬を出している馬もいますが血統が
サンデーサイレンス系なので、距離適性としては長距離が最適ではないです。



とは言うものの、天皇賞・秋は3,200mで今度の日曜日に開催です。
現時点で1番人気は、有馬記念2着、阪神大賞典で優勝のディープボンド。

ノースヒルズの前田氏の所有馬は、ノースヒルズ生産の日本ダービー馬キズナ
の産駒が多いのですが、ディープボンドもまたキズナの仔です。
キズナが果たせなかった天皇賞制覇をキズナの仔で阪神大賞典二年連続優勝の
ディープボンドが果たすというのは、それこそ絆の物語で良いと思います。



2番人気になりそうなのが去年、菊花賞を勝っているタイトルホルダー。
やっぱり3,000m以上のレースで勝っているというのは、信頼性というか勝つ
要素を持っている部分は大きいと思います。
早逝してしまったドゥラメンテの仔なので、次世代に繋ぐという意味でも名前
のようにタイトルを稼いでおきたいところですね。

3番人気はテーオーロイヤル、去年から4連勝中で直近では3400mの長距離戦
のダイヤモンドステークスを勝っています。
やっぱり距離適性を考えると長距離レースで勝ったの経験は必要なのかな。

勝ち負けはともかく、注目されているのは武豊騎手が騎乗するハヤヤッコ。
金子真人氏の白毛一族のマシュマロの仔で、祖母はシラユキヒメです。
シラユキヒメはユキチャン、ブチコ、シロニイの母で、ブチコはソダシの母と
いうことで、ハヤヤッコとソダシは従兄弟になります。



ハヤヤッコは、デビューから4戦目でダートに転向し、それも1,800メートルを
主戦場にしてきて、前走の日経賞で芝に再挑戦、13番人気でしたが5着に入線
ということで、GⅠの割には登録馬が少なく、抽選することなく出走が可能な
天皇賞・春に参戦という感じですが、前走の2,500m以上に未知な距離を走る
レースで完走出来るのでしょうか?という気がします。

馬券にというか、5着以内に絡むことはなさそうですが、去年~今年にかけて
調子のいい武豊騎手が、もしかしたらのサプライズを起こすかもしれません。


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