漫画家・藤子不二雄Aさんが死去 [訃報・追悼]
4月7日の朝、自宅の敷地内で倒れているのを発見され、通報により駆け付けた
警察が死亡を確認したということで、事件性はありません。
本名は安孫子素雄さんで、富山県氷見市の出身。
同級生だった藤本弘さんと二人で「藤子不二雄」として、漫画家活動をされて
いましたが、1987年にそれぞれに独立して藤子不二雄Aと藤子・F・不二雄と
名乗って別々に漫画を描くようになりました。
藤子・F・不二雄さんの作品は、子供向けの「パーマン」「キテレツ大百科」
「ドラえもん」「ジャングル黒べえ」「ウメ星デンカ」など、毒を含んだ要素
がほとんどないのに対して、藤子不二雄Aさんの作品は「忍者ハットリくん」
「怪物くん」や「プロゴルファー猿」など、「忍者」や「怪物」を子供向けに
アレンジしたり、賭けゴルフや「魔太郎が来る」など、呪いの力でいじめっ子
に復讐、さらに「笑ウせぇるすまん」のように、ほぼ大人を対象にした作品迄
幅広いテーマなのが特徴と言えるかもしれませんね。
「忍者ハットリくん」はアニメ版よりも、実写版の方が子供の頃に見た記憶が
勝っているので、ハットリくんが連れているペット?も、忍者犬の「獅子丸」
よりも、忍者怪獣ジッポウの方がお供としての印象は強いです。
「魔太郎が来る」の連載をしていた頃と実際には前後しているかも知れません
が、「エコエコアザラク」とか「うしろの百太郎」「恐怖新聞」など怪奇漫画
みたいなジャンルがなんだか人気があって、楳図かずおさんの「漂流教室」や
作画そのものがおどろおどろしい日野日出志さんなど、ホラー漫画の世界へと
足を突っ込んだのも「魔太郎が来る」がきっかけだったような気がします。
ということで、特に意識していたわけでもないですが、子供の頃から大人へと
成長していく過程で、藤子不二雄Aさんの漫画にはかなり影響を受けていたな
と今になって思ったりします。
以前、天然ブリのブランド品「氷見ブリ」が水揚げされる港が見たくて石川県
の氷見まで行った時には、氷見港のフィッシャーマンズワーフのマスコットの
ひみぼうずくんを見て、藤子不二雄さんのお二人の出身地が氷見市だったこと
を思い出しました。子供の頃から少年チャンピオンや少年キングを読んでいた
関係で「まんが道」が好きな漫画だったため、藤子不二雄さんの故郷が氷見市
だということは知っていましたが、これもやっぱり、藤子不二雄さんの漫画が
好きだったからなんですよね。
ここ数年で、モンキー・パンチさん(ルパン三世)、矢口高雄さん(釣りキチ
三平)、さいとう・たかをさん(ゴルゴ13)、白土三平さん(忍者武芸帳)
古谷三敏さん(ダメおやじ)、とりいかずよしさん(トイレット博士)などの
子供の頃から漫画を読んでいた作家さんが次々に亡くなり寂しい限りです。
今までお疲れさまでした。天国でゆっくりと藤本さんや手塚治虫さんと旧交を
温め合って下さい。ご冥福をお祈りします。
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