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睡眠時無呼吸症候群が原因の重大な病気 [健康・医療]

いびきがうるさいと家族に言われ、昼間に眠くて仕方がないという自覚がある
ということで、確定的だと自信を持って検査を受けて、想像以上の悪い結果で
素直にCPAP【持続陽圧呼吸療法】を始めて、現在3年半です。



精密検査の結果、睡眠中の酸素飽和度の最低値が62%、平均値が87%という
データが出て、62%といえば溺死の一歩手前ぐらいの数値なわけで簡単に表現
すれば、夜毎、脳細胞が酸素不足で死屍累々になっているようなもので、現在
のままで放置すれば、若年性認知症で呆けるか、脳や心臓の過大な負担により
早死に間違いなしという診断でした。


コロナ感染症の広がりで、パルスオキシメーターが広く認知されましたが既に
その一年半前から、酸素飽和度については詳しくなっていたのですって、特に
威張るようなことではないんですけどね。

日本国内の睡眠時無呼吸症候群の潜在患者約500万人が、治療を始めたならば
高血圧や糖尿病、高脂血症、脳梗塞、心筋梗塞、認知症などのリスクをかなり
減らせると見られていますが、睡眠時無呼吸症候群のCPAP療法は月々5000円
ほどかかるのと、マスクを装着するのが煩わしいという理由で、実際に治療を
受けている人は約一割の50万人ほどになっています。

という話はともかく、睡眠時無呼吸症候群が引き起こす致命的な病気は、多数
ありますが、そんな中でも特に突発的かつ危険なのが急性大動脈解離です。

70歳代から多くなるといわれる病気ですが、実は働き盛りと言われている年代
の死亡原因としても、心臓血管系・脳血管系に続いて多い症例であり、高血圧
糖尿病・高脂血症などの血管に負担がかかる病気を持病としている人が、発症
しやすいため、それらを既往症として持っている人は要注意です。



大動脈は心臓から上向きに出た後、脳まで血液を運ぶ頸動脈と枝分かれをして
カーブをしながら下降して、胸部大動脈と腹部大動脈に分かれて、全身に血液
を運ぶ基幹部分(生命の根幹)となっている太い血管です。

血流・血圧とも激しい血流なので、動脈の内部は内膜・中膜・外膜の三層構造
になっていて、通常は血液は内膜の内側を通りますが、動脈硬化の進行により
内膜が弱くなって穴が開いたり、小さな裂け目が出来ると内膜から入り込んだ
血液が中膜と内膜の間を引き裂きながら進むため、血管の内側が引き剥がされ
裂けた状態になるために解離という表現が使われます。

血管を引き剥がしながら進行するために強い痛みがあり、その痛みは背中側に
抜けることが多いものの、時には胃が痛いというように感じるため背中が痛い
と整形外科を受診したり、胃が痛いからと言って消化器内科を受診したりして
いるうちに解離が進んで手遅れになることがあります。

激しい胸の痛みを感じて自力で病院に行った際に、CTやMRIで見つかる場合が
ありますが、進行が速い場合は激しい痛みで失神してしまい、そのまま救命に
間に合わない場合もあります。

知人の例ですが、車を運転中に激しい背中の痛みを感じて、偶然通りかかった
整形外科に駆け込んだところ、医師が素早く急性大動脈解離と判断し、救急車
を要請した上で、心臓血管外科への搬送を指示したために、大出血を起こす前
に手術が間に合い、後遺症もなく退院できたということがありました。

この病気の場合はいくつかのパターンがあって、血管を引き剥がしながら進行
した解離が一旦止まり、血管の間に溜まる場合があります。

この血管内に溜まった血液が逆流して心臓の方へ戻ると心臓と心臓を包む心膜
(丈夫なので破れません)の間に溜まりはじめることがあります。

心膜と心臓の隙間には限度があり、心膜の中に血液が溜まれば心臓が動くため
のスペースが制限されて行き、内部が血液が満たされてしまった時には心臓が
動けないという状態になり、心臓は止まってしまいます。
この状態を心タンポナーデと言い、救急搬送しても助けられません。

心臓を外部の力で動かすのが心臓マッサージやAEDなどですが、心臓が
動くスペースが無ければ何もできないのが現実です。

普段から睡眠不足を自覚している人、寝る時間は確保していても睡眠時無呼吸
症候群のために、実際には呼吸不全状態で眠りの浅い人が左側の肩甲骨の辺り
に身体の内部が引き裂かれるような痛みがある場合は、他の症状が無い場合で
あっても血管の緊急手術が可能な病院に救急車で搬送してもらうことによって
命を救うことが出来る確率は格段に高まります。

少なくとも、湿布を貼って様子を見るのは止めましょう。


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