全斗煥元大統領が死去

韓国で国民に銃口を向けるどころか実弾を発砲して多くの死者を出した、通称
「光州事件」を指揮した元韓国軍の保安司令官で、後に大統領になった全斗煥
が死去しました。普通は亡くなった場合「氏」とか「さん」とかを付けますが
この人の起こした事件は死んでも敬称を付けられる立場にないと思います。


全斗煥が起こした事件を映画化した作品です。

保安司令官だった時に朴大統領が側近に射殺される事件が起きた後、軍内部に
個人的に組織した「ハナ会」というグループを作り、上官を逮捕する軍事反乱
を起こして軍の実権を掌握し、非常戒厳令を発布して日本に来ていた金大中氏
を拉致、逮捕するなど政治の分野でも権力を握ったことで、光州で民主化運動
が起きると全斗煥が直接指揮する形で武力鎮圧を断行。

市民側で死者と行方不明者が200人程（軍によって田畑に埋葬されたり、川に
捨てられたりした人もいるために正確な人数は把握できていません。）警察と
軍の関係で25‐30人程度の死者が出たとされ、負傷者は4,000人以上の大きな
人的損害が出た事件は、ドイツのユルゲン・ヒンツペーター記者による命がけ
の取材によって映像が公表され、韓国軍の隠蔽は成功しませんでした。

光州事件は民主化を求める市民の抗議行動を、北朝鮮のスパイによる暴力革命
だとメディアに報道させ、一般市民や学生を殺害した事件でした。

その事実に基づいて映像化された作品が、ソン・ガンホの主演によって映画に
なった「タクシー運転手 約束は海を越えて」です。



全斗煥は当時の大統領の崔圭夏大統領を辞任させると、自らが大統領に就任し
言論統制、報道規制、野党の政治家や野党支持者には北朝鮮と内通していたと
いう罪を着せて拷問し、それによる死者も発生しています。

警察庁内で起きたソウル大生に対する拷問死が市民の怒りに火を点けて国民の
抵抗運動が大きく広がり、全斗煥は失脚し、弟が不正の疑いで逮捕された後は
私財を国庫に差し出して妻と共に江原道の寺にこもりましたが、内乱罪の容疑
で検察から出頭要請を受けてもそれを拒否、逮捕状が執行されて逮捕。

特別赦免で刑務所を出てからも反省の態度を一度も見せず、裁判所から命令を
受けた追徴金を納付することも無く、光州事件の自己弁護に費やされた年月で
もっとも尊敬されない元大統領です。

ソウルオリンピックを誘致して自画自賛していますが、スポーツなどで政治に
関心を持たせないようにしようとして国民を愚民化させた最低の大統領として
死んでもなお批判されているのは国民と報道が正常な証でしょうね。

それに近いような安倍内閣、菅内閣の張本人たちは今でも派閥の長として日本
に悪影響を及ぼそうとしているにも関わらず、選挙に行った人が50％以下の国
が日本ですからね、安倍晋三や菅義偉が死んで国民葬にすると自民党が勝手に
決めても反発することなく言われるままに言うことを聞きそうですよね。

消費税が福祉目的で徴収されていると本気で信じている人は、ほんの少しでも
構わないので、政治に関心を持ってもらいたいと思います。

タグ：全斗煥 光州事件 軍事クーデター 拷問 権力欲

コメント 2

大陸や半島の日との考え方ってちょっとよくわかんないことが多いです。
こっちが島国根性だからと言われればそれまでなのかも？
でも日本人の多くはあっちにルーツがあるはずなんだけどなぁ（やっぱりよく理解できない）
ご紹介のあった作品、amazonプライムビデオで見られるかなぁ～
by 青い森のヨッチン (2021-11-24 17:07) 

青い森のヨッチンさん：
コメントありがとうございます。

「タクシー運転手～約束は海を越えて～」はAmazonプライムビデオ
で観ることが出来ます。韓国の人が民主主義に反する政治家の発言に
反発して大規模なデモをする理由などが理解してもらえるかと思います。

日本人が選挙に行かないのは、自分たちの行動によって民主主義を
勝ち取ったのではなく、連合国によって与えられたからだと思います。

by suzuran (2021-11-24 22:38)