漫画家さいとう・たかをさんが死去

「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」というカテゴリーで、ギネス記録に
認定された「ゴルゴ13」シリーズの作者、さいとう・たかをさんが、84歳で
膵臓がんのために亡くなりました。


外務省とコラボして、海外安全マニュアルにも登場しています。
デューク東郷役：舘ひろし　高倉外務大臣：河野太郎…これミスキャスト（笑）

水木しげるさんが2015年に亡くなった時に、他に長寿の漫画家と言えば？と
考えた時に思いついたのが「銀河鉄道999」の松本零士さん（現在83歳）とか
「漂流教室」の楳図かずおさん（現在85歳）「あしたのジョー」のちばてつや
さん（82歳）「ドカベン」の水島新司さん（現在82歳）と一緒に、今回訃報
が発表された、さいとう・たかをさんでした。

水島新司さんは去年、正式に引退を表明していますが、それぞれに漫画の執筆
やイベント出演などで活動を続けている方が多く、ちばてつやさんの漫画の中
では、同年代の漫画家の方々は、親睦ゴルフ（コロナ禍の今はわかりません）
を通じて元気に過ごしていらっしゃるようなので、唐突な訃報に驚きました。

昔のイメージのように漫画家の先生が、ストーリーから作画まで全てをこなし
アシスタントが仕上げをして、スクリーントーンを貼って完成という時代では
ないので、漫画家が亡くなったので作品も終了ということも全くないわけでは
ありませんが、「ゴルゴ13」の場合は作品の最後のページにスタッフの名前が
映画作品のように書かれていて、シナリオ担当からプロット、作画、背景など
担当が分かれていたので、今後も連載は続くことが発表されています。

国際的な犯罪やテロ事件など、時事ネタを作品の中に取り入れて実際の事件の
解説も書かれているので、情報分析力に弱く、偏光性の強い某新聞社の記事を
読むよりも余程、事件が国際的にどのような位置づけにあり、どのような影響
が出るかを予測するのに役に立つ漫画だったと思っています。

コロナ感染症で亡くなった千葉真一さんが主演した「ゴルゴ13　九竜の首」と
高倉健さんが主演した「ゴルゴ13」の二回、実写化されていますが、千葉真一
バージョンは香港が舞台で、なぜかゴルゴ13（デューク東郷）はパンチパーマ
でモコモコもみ上げとか、やくざみたいな風体になっているのがどうかな？



監督はあまり知らない人だけど、千葉真一さんをアクションスターとして演出
している点は良い感じです。原作が「ゴルゴ13」であることを忘れてしまえば
昭和のアクション映画として見られます。



高倉健バージョンは監督が佐藤純彌なので、少し期待しましたが綿密な計算で
必ず標的を仕留めるはずのゴルゴ13が、狙撃ではなくやくざ映画のかち込み的
な設定になっているのが、高倉健＝任侠映画の発想から解放できていない東映
の当時のプロデューサーの失敗というか、東映の経営幹部の失敗かな。
こちらはイランが舞台なんだけど、非日常的過ぎて無理がある感じです。

ということで、さいとう・たかをさんの劇画の世界は、実写化するとつまらん
独特の世界観のある素晴らしい作品だということが再認識できたわけです。



そんな独創的かつスケールの大きい作品を創り出し、53年間も続けた偉大なる
漫画家、さいとう・たかをさんのご冥福を謹んでお祈りいたします。

タグ：外務省 実写版 膵臓がん ゴルゴ13 さいとう・たかを

コメント 2

考えてみれば原作漫画を一度も読んだことはないけど何となくゴルゴ13を読んだ風な気になってしまうほどキャラの世界観が世間に知れ渡っている作品ですよね
楳図先生はもっと上なんだぁ～
by 青い森のヨッチン (2021-09-30 18:11) 

青い森のヨッチンさん：
コメントありがとうございます。

二年前ぐらいからビッグコミックは読んでいないので、最近の作品は
読んだことはありませんが、それなりに読んでいました。

ビッグコミックは青年誌なので、コールガールと関係を持つシーンが
結構あって、良い子は読んではいけませんという感じになっていますが
国際情勢をサクッと知るには良い漫画だと思います。

楳図かずおさんは普段着が赤白の人なので、80歳を超えている感が
あまりないのですが、さいとう・たかをさんはダンディに決めていた
ので、同じような年代の割には年上に見えました。

by suzuran (2021-10-01 00:06)