女性歌手が硬膜外血腫で緊急手術 [健康・医療]
歌手と書いていることが多いものの、個人的にはあまりジャンル分けに興味は
なく演歌歌手でもロック歌手でも、歌を歌うことを仕事としている人のお仕事
は歌手でしょうと思っていますので、あえてメディアに逆らって書きます。
歌手の黒崎真音さんが、配信ライブの本番中に倒れて緊急搬送先の病院の検査
で硬膜外血腫と診断されたため、緊急手術を受けて入院したというニュースが
ネットニュースで流れていました。
黒崎真音さんという人はアニメ作品のアルバムでデビューし、アニメーション
作品のオープニングテーマを歌う歌手として知られている人のようです。
個人的にはアニメの音楽を本編とは別で聴いても特に盛り上がることもないと
いうことで、いわゆるアニソン歌手と呼ばれている人のことは、ほぼ知らない
わけですが、まだ30代前半で頭を打ったわけでもないのに硬膜外血腫で入院と
いう記事を読んで、ちょっと不思議な話だなと思ったわけです。
若い人でも稀に「くも膜下出血」を発症する人はいますが、基本的には外傷性
の疾患である「硬膜外血腫」が、頭を強打したわけでもないのに発症したこと
に対して、驚きと懸念を感じました。
硬膜外血腫というのは、交通事故で跳ね飛ばされた際に路面に頭をぶつけたり
階段を転げ落ちた、低いところから立ち上がった際に頭上の柱とか鉄骨などに
打ち付けたという場合や、ボクシングで側頭部にパンチをもらったとか格闘技
の選手が発症することが多い怪我で、ボクシングの試合中にノックアウトされ
意識が戻らないまま亡くなるとか、その場では特に問題がなくても数時間後に
突然意識を失って倒れることがあったりする危険な怪我でもあります。
頭部をぶつけて、頭蓋骨と脳の間にある頭皮→頭蓋骨→硬膜→くも膜→軟膜の
うちの頭蓋骨と硬膜の間に出血が起きて、徐々に血液が溜まった状態が血腫で
あり、血腫がごく小さい場合は自然に血液が吸収されるのを待つという方法も
ありますが、血腫が大きいとか、出血が止まらなくて血腫が大きくなっている
場合には緊急手術の適用になりますから、そんなに軽症ではないはずです。
報じられているニュースの中では頭部をぶつけたという記述がないので、本人
も忘れるぐらい軽くぶつけたのかも知れませんが、そんなに軽くしかぶつけて
いないのに硬膜外血腫が出来たとしたら、出血しやすい状態になっている場合
も考えられるので、白血病のように血が止まりにくい病気があるという仮定で
検査が行われているかも知れません。
二か月ぐらいで退院の見込みということなので、そんなに軽症ではない感じが
しますが、倒れてすぐに緊急搬送されているので出血は止まっているはずだと
思われますので、しばらく経過観察をして出血が続かなければ、後は療養して
リハビリ、そして退院ということになるでしょう。
若くても頭を打てば硬膜外血腫が発症するリスクはあります。
頭をぶつけてすぐに意識を失うようなら、かなりの重症ですが、数時間後から
24時間後に唐突に意識を失う場合も重症度に差はありませんので、過去にない
ぐらい激しく頭をぶつけたような場合は安静にすることです。
数時間後に吐き気や会話がおかしい、手足が思うように動かないなどの症状が
出た場合は出来るだけ速く救急車を要請することです。
出血が止まっていない場合、症状が出た後は急速に症状が進み、脳幹に影響が
出るようになると処置の方法がなくなります。
命を大切にして下さい。
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