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石川県で進むドジョウの養殖 [限定・季節の食材]

今年、ウナギの稚魚であるシラスウナギの漁獲量は、不漁だった一昨年の4倍
という豊漁で、その関係からウナギの価格は去年の二割安というレベルです。
※2019年が約3トンなのに対して、2021年は約12トン



一昨年はウナギの数自体が少ないため、近畿大学が研究を進めていたナマズに
注目が集まり、土用の丑の日には「近代ナマズ」のブランド名でナマズの蒲焼
が拡販されたり、海外のナマズであるパンガシウスも蒲焼にして販売されたり
していましたが所詮は代替食材ということで、ウナギが豊漁で新仔から順調に
育成されたウナギが提供できる時に、わざわざナマズを売ろうなんてところは
ないわけで、今年はナマズの出番はありませんでした。


とは言うもののウナギは完全養殖が実用化されていませんから、毎年が運試し
状態の魚種ですし、絶滅危惧種に指定されるほど自然界では数を減らしている
魚ですからね、出来るだけウナギ離れをするにこしたことはありません。

そんなウナギ不足の代用というわけではありませんが、ドジョウの蒲焼を名物
として売り出している石川県の金沢市や富山県の高岡市での需要も念頭にして
石川県では、県の水産試験場が中心になって休耕田の活用や雇用の創出などの
複数の目的を持ってドジョウの養殖に力を入れています。

石川県では金沢を中心に、ドジョウのかば焼きが郷土料理として知られていて
夏の栄養食としての伝統がありますが、需要を満たすためのドジョウの供給は
県外の青森県や山形県の天然物ということで資源の安定供給という意味合いも
兼ねて石川県内での生産を増やしたい意向があるようです。



ドジョウのかば焼きは食べたことがありませんが、福岡県の柳川に行った時に
柳川鍋(ドジョウは割いてあります)を食べた時は臭みもなく美味しい魚だと
感じましたから、甘辛いタレで焼き上げるかば焼きにしても美味しいはずだと
個人的には思います。氷見港で見ましたが食べたことはありません。

自然界の生き物が人間の食欲を満たすというエゴのために地球上から消え去る
なんてことはあってはならないことなので、減少し続けるウナギに代わる食材
としてアナゴが代用品として考えられていますが、アナゴもウナギと同じ海域
で卵を産むのでウナギと同じく幼魚のシラスが減少している現状があります。

ウナギの生態がもっと詳しく解明されて、シラスウナギが単年度毎に増減する
理由がわかるとか、卵を採取して完全養殖技術が確立されない限りはウナギが
絶滅危惧種から変わることは無い反面、ウナギの料理が日本から消えることも
また、考えにくい現状の中で、ウナギの食感、味覚に限りなく近い代用食材が
必要とされるのもまた重要な課題だと思われます。



だからこそ、ドジョウに目をつけた石川県の人たちは「先見の明」があるとも
言えそうですし、今後はドジョウを改良して、より大きな魚体にして将来的に
ウナギの需要を横取りするぐらいの支持を受けられれば良いですね。


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コメント 6

旅爺さん

ウナギの稚魚が豊漁では今年は美味しい鰻が食べられますね。
ドジョウの蒲焼きなどは大好きですが、子供の頃食べたきりです。
by 旅爺さん (2021-07-29 06:17) 

青い森のヨッチン

東京でサラリーマンをしていた時に夏になるとお客さんの接待でどじょう鍋の名店へ行きましたが自分的にはあまり好きには慣れませんでしたが江戸情緒を楽しむために経験させてもらった感じですね
子供のころは商店街のお魚やさんの店頭に樽に入れられてどじょうが売られていましたが食べるんのという発想がなく飼っているものだと思っていました。買い物に行くたびに樽を覗いていました。
by 青い森のヨッチン (2021-07-29 09:34) 

ピンキィモモ

こんにちは。
ドジョウのかば焼きは、普通にスーパーで売っています(石川県在住です)。
独特の苦味が、ビールに合うんじゃないかな。
by ピンキィモモ (2021-07-29 15:18) 

suzuran

旅爺さん:
コメントありがとうございます。

一昨年が「3トン」で、特に何かを改善したわけでもなく今年は「12トン」
ということは来年は「0トン」かも知れないし「15トン」かも知れないと
いうことになるので、ウナギを扱う業者は本当にギャンブルですね。

真冬から初春に漁獲したシラスウナギを半年間育成した新仔はとても
柔らかく美味しいと言われますが、今年はその新仔が去年の二割安で
食べられるということで、うなぎ屋さんも賑わったみたいですね。

基本的には1年育てたウナギが脂の乗りも良く美味しいらしいので今年
獲れたシラスウナギが美味しく食べられるのは今年の冬のようです。

ドジョウの蒲焼は氷見漁港で見ただけで食べたことはありません。
柳川鍋のように割いてあれば良いのですが、頭が付いた丸焼きには
なかなか手が出せません。

by suzuran (2021-07-31 00:31) 

suzuran

青い森のヨッチンさん:
コメントありがとうございます。

東京のドジョウの名店は現在5店のみになったとか。
みんな浅草に店を構える老舗みたいですが、老舗と聞くとそれだけで
近寄りがたいので、これからも行くことは無いと思います。

子供の頃は軽トラックの行商の魚屋さんが週に一回ぐらいかな、二週に
一回ぐらいかな、定期的に来ていましたが、冷蔵技術の発達した今とは
違うので発泡スチロールのトロ箱に入った生魚ではなく、木箱に入った
塩干だったような気がします。(おぼろげな記憶です)

その魚屋さんは大きな水槽というかタライというか、水を張った水槽が
あって、その中でドジョウや金魚が泳いでいました。

金魚は鑑賞用のペットでドジョウは食用だったのか、も今となっては謎
なんですが、田んぼに行けば獲れるのにわざわざドジョウなんてお金を
出して買う人がいるのかな?と不思議でした。

by suzuran (2021-07-31 00:40) 

suzuran

ピンキィモモさん:
コメントありがとうございます。

割いてないと内臓もそのままですよね?魚好きな人はサンマでも鮎でも
はらわたの苦みが大人の味で美味いと言いますが、牛や豚のホルモンは
ともかくとして、魚の内臓はダメなんですよね。

大人の味覚を持った人は、サザエでもつぼ焼きにして、貝殻の奥の方の
グルグルした内臓をわざわざ引っ張り出して食べますが、いくら体も
知識も大人になっても「ベロ」は子供のままなので無理ですね。

ある程度、大人になってから泊まった旅館で、仲居さんが残してある
サザエの内臓を見て、美味しいとこだけ残してありますね、と笑いながら
片付けていましたが、あの笑いは自分自身も美味しいとは思っていない
笑いだよな、と密かに思ったのでありました。

by suzuran (2021-07-31 00:48) 

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