愛知県知事リコール署名不正事件

愛知県の大村知事に対するリコール署名が始まったのは2020年8月でした。
前年に開催された「あいちトリエンナーレ」という作品展の作品を個人的信条
から問題だとする高須克弥（高須クリニック院長）、河村たかし名古屋市長が
中心になって主催者である大村知事のリコールを求めて署名運動を行うことを
名古屋国際ホテルで発表し、愛知県民ではない、百田尚樹、竹田恒泰、有本香
と中部大学教授の武田邦彦の自称保守が応援団として参加しました。



当日は参加しませんでしたが、維新の会代表の吉村洋文大阪府知事は、賛同の
コメントを出し、門田隆将、小川榮太郎、ケント・ギルバートなど自称保守が
「月刊Hanada」に支持・賛同する文章を寄稿しています。

リコールが成立する有効署名人数は約86万人分であるのに対して、提出された
署名は43万5,000人分で、リコールは不成立で通常ならば不成立の場合は署名
の精査はされませんが、リコール運動の受任者などから同じ筆跡の署名が多数
あるという告発があったために選挙管理委員会が一部を調べたところ、筆跡が
同一の署名が多数見つかったことから全数検査が行われました。


リコール署名は、これだけの要件が揃わないと不正になります。

その結果、43万5,000筆の署名の中で、32万7,000筆の署名の筆跡が同一とか
愛知県に選挙人登録されていない名前（愛知県知事ですから、愛知県民だけに
署名の権利がありますが、愛知県外の人の署名があったということです）など
いわゆる不正署名であり割合にして75％が不正でした。

それとは別に約8,000人の故人の署名があり、霊界から署名をするために降臨
をしたことになっているみたいです。（10年前の市議会のリコールの署名簿を
河村たかしが提供したという報道があるので、さすがに10年前の署名簿ならば
故人が多数含まれているのも不自然ではありません。が、目的の違う署名簿を
提出するのは不適切でしかありません。）

碧南市議会の市議など、一部の人は選挙管理委員会に名簿閲覧を申請し、知事
を支持しているはずの自分の署名がリコール署名に利用されていることを確認
して、告訴状を提出、受理されていますし、愛知県警は強制捜査に入り全ての
署名簿の押収を完了していますので、これから事実が明らかになります。

署名簿の人数を「これはどえらけない数だで=大変な数ですから」と自信満々
で提出していた河村たかしは不正には関わっていないと関与を否定、高須克弥
も不正は指示したことはない、黙認もしていない、リコールを妨害するために
第三者が不正署名を紛れ込ませたとトランプと同様の陰謀論を出しています。

が、署名簿は責任者が確認し、提出時に責任者了解の下でパンチ（穴あけ）を
して提出することになっているため、選挙管理委員会に提出する際に同じ筆跡
が多数ありますが宜しいですか？と確認したら、大丈夫だからと責任者が了承
したので受領したという証言が東海地方では報道されています。

ですから、少なくとも第三者が介在する余地はなかったものと思われます。
また、署名活動終了後に未提出の署名簿を薬品で溶かして処分するという話が
出ていたという証言も出ているので、そのあたりの証言についても近いうちに
裏付けが取られると思います。

不正な署名簿は、佐賀県でアルバイトを動員して作成されたことが確認されて
いて、その経費（人件費など）は1,000万円を超えていて、高須克弥の発言に
あるような第三者が妨害のために紛れ込ませるレベルではありません。

そもそも86万人の署名など集まるはずがないのに1,000万円以上の無駄なお金
を使って妨害工作をするような暇潰しをする金持ちなどいないでしょう。

事務局長で、元愛知県議の田中孝博（衆議院愛知5区選挙区支部長として次回
の衆議院議員選挙に日本維新の会から立候補予定＝2月25日に辞任したようで
選挙にも出ないことにしたようです）は関与を否定していますが、事務局幹部
の署名と押印のある求人の発注書もすでに警察に提出済なので、この線からも
事実が明らかになる日は近そうな感じです。



ちなみに高須克弥に田中考博を紹介したのは日本維新の会の、ムネオハウスで
有名な鈴木宗男参議院議員だそうです。北海道選出なんだから北方領土問題に
真摯に取り組めばいいわけで、愛知県に関わらないでもらいたいです。

高須克弥、河村たかし、田中考博の三人は、それぞれに関係ないと関与を否定
していますが、代表として活動した責任者に責任が無いわけがなく、なにかの
時に責任を取るのが責任者なのですから、実際に関与していなかったとしても
世間をお騒がせして申し訳ないという謝罪は必要でしょうし、なぜ同じ筆跡の
署名が多数あることを指摘されても提出したのかの説明は必要でしょう。

最終確認をするのは責任者の役割であって、日頃の言動からすればきっちりと
責任者としての矜持を見せてくれると思います。

指示・賛同した仲間たちは、誰一人として擁護コメントを出してくれませんが
随分と冷たい人たちなんですね。保守論客って合理的でクールなんですね。



ということで、不正リコール劇場はこれからが見どころになります。

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