森喜朗舌禍事件の顛末

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、自らの放言の
責任を取る形（あくまでも表向きで本人に問題発言の自覚は無い）で、会長の
辞任を表明しましたが、実際に完全に引くのかは微妙な気がします。



女性が会議に入ると会議が長くなるという趣旨の話をしたことが女性蔑視だと
指摘されたことが最大の問題のように捉えているようですが、それよりも悪質
なのは組織委員会の理事の女性は「わきまえている」という発言にこそ、女性
は発言するなという圧力があるわけで、本人は意図的に報道されたなんて自分
が陥れられたような表現をしていますし、解釈の仕方だと聞いた側に問題あり
と言わんばかりの相変わらずの逆切れ会見でしたね。

安倍晋三が総理になってから多用されるようになった、誤解を与えたとしたら
申し訳ないという言い方は、全く謝る気などない時に使う言葉であって国民が
勝手に誤解している、または意図的に悪く受け取っているとする論点ずらしの
論法の際に使われるもので、政治家として史上最大の嘘つきである安倍晋三を
育ててきた森喜朗だからこその責任転嫁論を吐き散らしただけの無様な会見で
83年も生きてきて情けないというよりは、83年も恥を晒して生きてきて恥を
感じない鈍感さに呆れました。

責任を取って辞任するはずの本人が自分を相談役として組織に残してくれると
約束してくれた、元Jリーグのチェアマンの川淵氏を次の会長に指名するなど
非常識なことを臆面もなく行って恥の上塗りをしましたが、そもそも国の組織
の最高幹部を先代が指名するとか、昭和の暴力団じゃあるまいし組織としての
秩序も規約も無視するようなことが出来ると考えている傲慢さは、法令順守を
基本とする現代社会では通用しませんよ。



そういう点では政権与党も捏造、改竄、隠蔽が当たり前になっていますからね
21世紀の組織としては壊滅的に古臭いゴミ溜めのような組織ですから、感染症
対策は後手後手なのに、オリンピックは感染者の増減に関係なく開催するとか
寝言を本気で公言する知見の無い総理大臣を推しているわけで、総理の選任を
自分の仕事だと思っている二階なんて金権幹事長を更迭しない限り、政権与党
が国民の声で政策を決めるなんてことは無いと思います。

組織内での選考もしていない、理事としての推挙もされていないということで
会長職を引き受けようと思うと発言した川淵氏は、ピエロのような存在になり
さすがに嫌気がさしたのか、推薦されても会長職は辞退すると言いました。

女性と並列で共同会長をIOCのバッハから提案されたものの、くだらないから
と断った森喜朗の発言まで紹介して、恥をかかされた森喜朗に対して恨み言を
言っているような感じでした。

さすがに83歳の後を84歳に託すのは問題だと、組織内や政治家などから年齢が
若く、出来れば女性が会長を引き受けてもらいたいという流れが出来て高齢者
の川淵さんは自分の居場所を悟ったような感じでした。

後任候補には橋本聖子大臣が閣僚を辞任して理事になるという話がありますし
その他には小谷未可子JOC理事などの名前が出ていますが、少なくとも森喜朗
が「女性が会議に加わると話が長い」という与太話で笑っていた人間は除外し
性別や年齢、国籍、肌の色で差別をしない人を選ぶべきです。

森喜朗の舌禍事件は、加齢によるものだと年齢のせいにしようとしているのが
日本のメディアの悪癖で、少なくとも森喜朗、二階俊博、麻生太郎の不適切な
発言は若い頃から変わっていませんから死ぬまで治らないと思います。
年齢のせいではありません。人格が卑しいから上から目線で放言するのです。

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