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貨物船と衝突した潜水艦 [アクシデント]

高知県の足摺岬沖で、海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」と香港船籍の貨物船
「オーシャン・アルテミス」が衝突し、そうりゅうの潜舵(潜水艦の船体中央
部分に出ている艦橋側面にある水中での操舵を行うための舵)と、通信装置が
損傷して潜水と通信が出来なくなりました。



以前、イージス艦と漁船が衝突した時のように、海上で目視が出来る状況での
衝突ではなく、海中から浮上する際に衝突しているので、潜水艦側に一方的に
責任があるのみならず、海上を進む船舶を把握できていなかったということは
相手側に攻撃の意志があれば、撃沈されていたということであり無防備な状態
で運用されていたということになります。


ソナーが故障していたかも知れない、という前提で検証する見方もありますが
潜水艦がソナーが故障している状態で運用されているとしたら、目隠しをして
攻撃能力のある兵器を運用していたことになり、それは問題外でしょう。

貨物船側は衝突の衝撃はなく、振動も感じなかったとしていることから不幸中
の幸いという見方をされていますが、潜水調査では貨物船の船首部分に多数の
亀裂(船内に海水がにじみ出る程度の深さ)や擦過痕があることが判明したと
いうことで、角度や速度によっては5万トン以上の大型船が航行不能や最悪の
場合、沈没する危険性があったことも示されています。



アンテナが損傷して通信が出来なくなったため、民間の携帯基地局の圏内まで
入ってから連絡したために事故から三時間以上経ってからの報告になったとの
話ですが、衛星電話とか旧型のモールス信号による通信とか、そういう装備も
なかったら作戦行動中に緊急事態が起きたらどうするのでしょうね?
なんて感じで、日本の脆弱性が海外に公開されたことも問題でしょうね。

ところで、この事故が起きた2月8日から2日後の2月10日(20年前の2001年)
にはハワイ沖で愛媛県の水産高校の実習船えひめ丸にアメリカ海軍の潜水艦が
衝突して、えひめ丸は数分で沈没し、9人の死者(教員5人、生徒4人)が出る
事故が起きていました。偶然が重なるというか不思議な感じがします。



20年目の節目で、場所や状況は違いますが潜水艦が民間の船に衝突するという
ことに何かの因縁みたいなものを感じるというか、この「えひめ丸沈没事故」
が起きた時の首相が森喜朗で、日本人35名が乗船した実習船がアメリカ海軍の
艦艇の衝突によって沈没したという緊急連絡があったにも関わらず、ゴルフ場
でゴルフを続けたことが問題になり首相を辞任しています。

古代ローマの歴史家クルティウス・ルフスの言葉で「歴史は繰り返す」という
言葉がありますが、今起きていることは正にそのような感じだと思います。



女性蔑視発言やコロナ感染症がどのような状況であってもオリンピックは開催
するという強行発言で辞任を求められている森喜朗に対して、天の声が過去の
行状を思い出せ、そして潔く辞任しろと迫り、それに従ったということかな。


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