復活の神・フンコロガシ [地球環境・自然・宇宙]
集まるプールは人数制限をしたりして、閑散とした状態だったようですが森の
中での昆虫採集は人が集まることがないので安全ということで、人工養殖した
甲虫(カブトムシとかクワガタムシ)を放飼したフィールドで昆虫採集をする
というアウトドア施設が人気だったみたいです。

本当は天然の昆虫を捕まえるのがベストなんですが、都会の人で虫のいる木を
見つけられる人はそんなにいないと思うので、短時間で手軽にクワガタムシや
カブトムシを捕まえられるというのは魅力だと思います。
子供の頃には近所のお寺の林の中に虫捕りに行きましたが、現在では林の中は
きれいに木が伐採されて間引きされているので、カブトムシなどの甲虫は滅多
に見ることは無くなりセミだけは五月蠅く鳴いています。
笹が生い茂っていた頃は、奥まで分け入ると笹で手を切り、足元にはマムシや
アオダイショウ、木にはムカデとかヤスデ、ゲジゲジなどの脚が一杯あるやつ
か、足の無いナメクジ、さらに刺されると痛いスズメバチやアシナガバチなど
の危険な虫や、カマドウマ(通称お便所コオロギ)なんて感じで、魑魅魍魎の
巣窟みたいなところで虫捕りをしていましたから、お金を払えば安全快適かつ
獲物が保証されているのですから、絶対に今の方が良いです。
というようなことで、日本にも昆虫は何十種類といますが、世界最強の力強い
昆虫って、なんだと思いますか?ヘラクレスカブトムシではありません。
それはフンコロガシのオスなんですよ。
フンコロガシは、自分の体重の1,141倍の糞(主に牛の糞)を逆立ちした体勢
でコロコロと転がして、交尾をするのに最適な場所まで運びます。
糞の中で交尾をして、卵を産み孵化した幼虫は糞を食べて育つので糞を運ぶと
いうのは求愛に欠かせない重要な仕事なんですね。
このように糞を運ぶ仕事を人間の行動に置き換えると体重70キロの人が80トン
の愛の巣をお気に入りの場所まで押して転がすのと同じレベルの重労働になり
一つの例えとしては、空港で出発する飛行機を押し出しているトーイングカー
の代わりに人間が飛行機を押してスポットから移動させているのと同じです。
虫に感情があるのか?という話になってしまいますが、フンコロガシは動物の
糞の中で交尾をするのが習性なので、子孫を残す生殖活動のためには重労働も
厭わないというようにDNAの中で培われているのでしょうね。
人間から見たら糞はあくまでも糞なのでゴミ同然の存在ですが、フンコロガシ
にとっては交尾をするための愛の巣であり、食材であり、孵化後の幼虫が安全
に育成される保育器でもあるわけで、堅牢な要塞のように固められています。
日本人の感性では、糞の中で交尾をして、糞の中から生まれてくるような虫は
ゴキブリ以下の扱いにされると思いますが、生息地であるエジプトでは食物の
なれの果てである糞の中から生まれ出るフンコロガシは再生・復活の神である
とされていて、迂闊に触れてはいけない神聖なる虫とされています。
再生の象徴であるフンコロガシ。
今の時代にピッタリのキャラクターだと思うんですけどね、商品化して売ろう
というのは、ちょっと難しいかな。
2年前に公園で捕まえたカブトムシさん、今、36匹の幼虫がウゴウゴしてます。
by 溺愛猫的女人 (2025-02-16 12:47)
溺愛猫的女人さん:
コメントありがとうございます。
子供の頃にカブトムシやクワガタムシを捕まえに行きましたが、二世を
育てようという考えは全くありませんでした。
幼虫を探して木屑の中から掘り出したりしましたが成虫になる前に死亡
というパターンばかりでしたから、虫を飼うのは下手だったようです。
by suzuran (2025-02-16 21:38)