年々増加している人食いバクテリア

新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界各国ではコロナ感染症の対策が
最優先で行われていますが、コロナウイルスだけが活発に活動しているという
人間に都合の良い話は全くなくて、感染したら高い確率で死にゆく病が他にも
たくさんあり、感染拡大が顕著な感染症もあります。



特に前兆などが無いまま突発的に発症して、手足の壊死などを引き起こす上に
死亡率が30％以上と非常に高い「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」という病気の
患者数が年々増加しているという事実があります。

日本国内で2013年には、203人の感染症例が診断され、2014年には263人に
増加、2017年には525人とほぼ倍増となっているわけですが、2018年以降の
資料がないため、東京都の集計で見てみると、2017年が72人、2018年が87人
2019年が123人と急増し、2020年は100人と下がっています。
※コビッド19の感染拡大で感染症に対する予防・警戒に注意が払われた関係で
　減少したのではないかと思います。



単純に東京の増加率で考えると、2018年には634人、2019年は896人に増加し
2020年は730人前後ではないかと推測します。

「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」は、主に「Ａ群溶血性連鎖球菌」に感染して
唐突に起こる病気で、高熱、めまい、皮膚の傷口の激痛などの初期症状が出て
数日で急激に病状が悪化し、手足の筋肉の壊死や意識障害などにより重篤化し
多臓器不全などによって死に至る病気で、発症後に症状が分単位で一気に進む
という特性から人食いバクテリアと呼ばれています。

一般的には「Ａ群溶血性連鎖球菌」は、咽頭炎の原因菌として知られている菌
で、ほとんどの場合、感染しても喉が痛くなって熱が出た時点で医師に罹れば
上気道炎（いわゆる風邪）の薬が処方されて終わるような話なんですが、元々
体力のない人や高齢者の人が感染すると喉の痛みの後、高熱が出て、その後で
手足に強い痛みを感じるようになる病気です。

ちなみに「Ａ群溶血性連鎖球菌」は、成人の2‐3％は普段から喉の辺りに菌が
いますので、菌を持った人が咳をしたり、くしゃみをすると、周囲の人に感染
させる場合があるので喉が痛い人は人に近付かないようにするべきです。

感染症ということで発生は人口密度の高い都市部で多く、予防するには風邪や
コビッド19と同じく、うがいや手洗い、マスクの着用が有効とされているので
体調が優れない時には人込みを避けるのが賢明です。

喉が痛くて熱が出て、手足の表面に痛みがあるようならコビッド19だけでなく
冬に多い「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」の感染もあるかも知れませんからね
早めに医療機関を受診して最悪の事態にならないように備えましょう。

タグ：感染症 新型コロナウイルス コビッド19 変異型 劇症型溶血性連鎖球菌感染症

コメント 6

コロナ以上に怖い病気があるんですね。
by 旅爺さん (2021-01-07 09:14) 

怖い病気ですね。発症しても、そうと気づくまでに時間がかかりそう・・・
by mayu (2021-01-07 13:19) 

あけましておめでとうございます
ご訪問が遅くなってしまいましたが、本年も宜しくお願い致します。
by MINERVA (2021-01-07 18:52) 

旅爺さん：
コメントありがとうございます。

感染力では新型コロナウイルス（特に変異種は感染力が強くなっている
みたいなので要注意ですね）のようなことはありませんが、連鎖球菌は
ありふれた菌なだけに、何かの拍子に牙をむくと怖いです。
by suzuran (2021-01-07 23:39) 

mayuさん：
コメントありがとうございます。

喉の痛みという症状は軽微な風邪の諸症状と思われがちですが、人体の
第一関門みたいなところなので、ここで止まるか、さらに奥に進むかで
病気の重篤度に差がつくように思います。

うがいはほとんど意味が無いという意見もありますが、喉の炎症を悪化
させないために必要なことだと思います。

by suzuran (2021-01-07 23:45) 

MINERVAさん：
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
by suzuran (2021-01-07 23:45)