廃用性萎縮という人体の劣化 [健康・医療]
傷むのみならず、外見上も錆が出たり、塗装がはげたりして結局は常日頃から
使用している同じ使用年数の同一製品よりも劣化してしまうことになります。
それと同じく人間の機能も使用頻度が低いと、少しずつ使えなくなっていくと
いうのは医師や看護師、理学療法士など、人体に詳しい人から指摘を受けたり
日常的にトレーニングや散歩をしている人から話を聞く機会もあるでしょう。

交通事故や転倒などで怪我をした後、ギプスで固めたり装具を使ったりすると
患部周辺の筋肉量が減って固まってしまうために、リハビリで機能訓練をして
元に戻すのが結構厳しい訓練になったりするものです。
あまり小難しい話を延々と書いていても面白くもないので、大人の半分ぐらい
は関心のある性機能について、フィンランドの研究チームが調査をして結果を
まとめたものをアメリカの医学誌で発表しているので、その話を書きます。
内容は、55-75歳のいわゆる中高年齢層の男性989人に対して、性交の頻度を
5年間追跡調査をしたところ、性交頻度が1週間に1回未満の人は、週1回の人
と比較して、勃起不全になるリスクが2倍になることが確認できました。
一昔前の理屈では性交をすると老化が進むと考えられていましたが、実際には
性交しないと体は劣化することが一つの仮説として証明されたわけです。
その年齢になったら、もう性行為は卒業でしょうと、特に女性の場合は思う人
もいるかも知れませんが、性交によって脳が活性化して、老人ボケを防止する
とか、心肺機能の老化を遅らせて、健康面で有益というのが定説なので、単に
色ボケみたいな見方をするのは良くないです。
何らかの性的興奮を感じて局部が勃起するという反応の後から、実際に性行為
へと進む人は、性的興奮を感じたら性交が可能なように自然体で勃起するのに
対して、エロティックな外部からの情報に反応して勃起した時に、その流れで
性交をしないようにしていると、体が勃起することは必要ではないと判断する
ようになり、次第に自然に勃起することはなくなります。
機能を使える状態であったのに、その機能を使わないようにすると機能自体が
劣化して使えなくなるという変化を廃用性萎縮と言い、セックスレスの人たち
が増えている現代の日本で、表向きに問題になっているわけではありませんが
夫婦間で性的な欲求不満とか、性的不能に悩む人は少なくありません。
調査研究では既往症についても調査がされていて、性交することに問題のない
健康状態の該当者1,000人当たりのED患者数は、セックス頻度が週1回未満
では79人もいて、週1回の場合だと32人、週3回以上の場合には16人となり
ペニスは使わないと劣化するということが証明されているいます。
定期的なセックスは中高年男性の性的不能予防に重要な役割があるということ
もありますが、これは男性だけではなく女性にも当てはまることで性交頻度が
少ない女性の場合は子宮筋腫になる確率が高まり、閉経などの更年期も早まる
傾向があります。(証明はされていません)
定期的に性交している女性は、セックスレスの女性と比べると同年齢の外見上
の差で、7歳若く見えるという実験結果もありますので、今更とか言わないで
性交を楽しむべきであると思います。(妊娠の可能性がないなら尚更です)
セックスレスで奥さんと性交していないのに奥さんが老けたなんて言う男性は
身勝手すぎますので大いに反省して、奥さんを女性として愛し、二人の裸体が
密着するところから再開すべきです。
女性の場合、内性器(膣、子宮、卵巣)が乾燥してカビが生えたりすることが
あるほか、久し振りに性交しようとしても膣内が委縮してしまっているために
挿入が出来ないということもあるので、廃用性萎縮を防止するために、身近な
ペニスの持ち主と性的関係を持つことも大切なことであり、体を若く保ちたい
と思うのであれば、特に一考する価値はあると思います。
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