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三菱スペースジェットは失敗のようだ [飛行機・鉄道・自動車]

前回でコロナ禍での全日空の不運の一つして挙げた三菱航空機が製造するはず
の三菱スペースジェット(旧名はMRJ=Mitsubishi Regional Jet)の開発状況
ですが、納入は2021年度以降という状況のままで、過去の経緯から想像すると
実際に納入されるのは2022年になるか、2023年かという感じだと思います。

space_jet-1.jpg

国産の民間用ジェット機を開発すると三菱重工が発表したのが2008年。
当初の納入予定は2013年で、技術大国の日本では納入延期など想像もできない
という強気の発言でしたが実際には12年経っても目処も立たないという状態で
簡潔に言えば三菱航空機が製造する三菱スペースジェットは失敗だったと断言
しても良いと言うか、失敗でしょう。


国産ジェット機と発表はしていますが、もっとも重要なエンジンは日本製では
ありませんし、運航システム関係のハードも外国製で本当に日本製の部品のみ
で作られているのは機体の30%でしかありません。

全日空は確定15機とオプション10機を2013年から受領するはずでしたが延期
に次ぐ延期に対応するためにボンバルディアDHC-8-Q400(ボンバルディアは
鉄道車両開発・製造に特化するため航空機部門を三菱航空機に売却したために
現在は旧社名のデ・ハビランド・カナダになっています)を2017年度に導入
して代替させていますが、ジェット機15機の代替がターボプロップ機3機では
今後の旧型機の代替に問題が出ることは間違いないわけで、確定15機が実際に
納入されるまで待ってくれるとは思えません。

space_jet-2.jpg

日本航空については現時点ではエンブラエルE170とE190を飛ばしているため
後、10年ぐらいは運航可能ですが2021年から順次、スペースジェットに代替
する計画だったわけですから日本製の新造機を飛ばすという一般旅客にウケる
施策は当分の間というか、かなり疑わしい状況なのでエンブラエル機の新造機
と代替(経費負担は違約金として三菱航空機の負担でしょう)になる可能性が
高いような気がするので買い手のない航空機を開発するような殿様商売は無理
ということになりそうな気がします。

現時点で新型コロナウイルスの影響(最近は何事についてもネガティブな話は
全て「コロナのせい」にしている感がありませんかね?)でモーゼスレイクで
実施する試験飛行も中断していることから、形式証明も取得することは事実上
無理な状況なので、2021年の納入開始は絶対に無理でしょう。

結局、販売数0のままで開発経費だけが積み増されているために2020年3月期
の純損益は5269億3000万円の赤字になっているのが現実です。
債務超過額が4646億5800万円ということで、親会社の三菱重工は1,500人の
社員を半減し、開発費も600億円(これまでの半分)に経費の見直しを行うと
していますが1,500人の社員で12年遅れた事業を600人に削減して一年で完成
させるなんて魔法を使える魔法使いでも雇用するのでしょうかね。

個人的には三菱スペースジェットは幻に終わると思っています。


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