大林宣彦監督が肺がんで死去

なにもかもコビット19が悪いわけではないんですが、寂しい話が続くばかりで
寒い冬が終わり、明るい春が来るはずなのに残念な話がまた一つ。



肺がんの闘病をしていた映画監督の大林宣彦監督が亡くなりました。
最初に大林監督の映画を観たのは角川映画（現在の角川ではなく角川春樹氏が
角川春樹事務所として製作していた頃）の「ねらわれた学園」でした。

角川映画のメインアクトレスだった薬師丸ひろ子が主演した映画で、二つ年下
の後輩が薬師丸ひろ子の大ファンで、絶対に良いから（映画が面白いからとは
言わずに、薬師丸ひろ子が良いからというのが理由でした）観に行こうという
お誘いに乗って行きました。



当時は邦画の場合（名古屋は地方都市だったので洋画のロードショーも同じく
でしたが）二本立てが基本で、同時上映の「ブルージーンズメモリー」の時間
を外すように観に行きました。（たのきんトリオなんてさすがに観なかった）

映画の内容自体はそんなに記憶に残るほど面白くもなかったのですが、主題歌
で松任谷由実が作って歌った「守ってあげたい」は良かったです。

この映画で大林宣彦監督の名前は覚えたので、次回作の「転校生」はちょっと
期待して観たのですが、尾美としのりと小林聡美の男女が入れ替わる演技など
当時はまだ二人とも無名でしたからね、すごいうまい演技だなと驚きラストの
別れのシーンで感動して、大好きな映画になりました。



その後も、角川三人娘の原田知世主演の「時をかける少女」や富田靖子主演の
「さびしんぼう」などを観ましたが、やっぱり「転校生」が一番好きです。



2000年代になってから、伊勢正三さんが書いた「なごり雪」「22才の別れ」
が大分県で映画化されて大分三部作の二作目までのはずでしたが、大林監督が
亡くなってしまったので未完の三部作になってしまいました。



大林監督が手掛けた劇場版映画の第一作はホラー映画の「HOUSE」だったと
いうことは後で知りましたが、まだ中学生だった時に家が少女を食べる映画？
なんじゃそりゃ？と思って行かなかったので、ちょっと残念かな。

いろいろな映画を撮って日本の名監督の一人だったわけですが、遺作となった
「海辺の映画館－キネマの玉手箱」が、コビット19の関係で上映延期になって
しまったのは心残りでしょうね。
流行が収束して映画の上映が始まったら是非観てみたいと思っています。

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タグ：映画監督 転校生 死去 角川春樹事務所 大林宣彦

コメント 4

私にとって尾道三部作は　映画と同じ時代感を過ごしたのでその　世界観が自分の高校時代と重なって大切な作品に思えるんですね。
特に1983年の「時をかける少女」は　それまで見たどんな映画も比べ物にならないくらい大事な　永遠のバイブルだとおこがましくも思うんですね。
大林監督が御病気だったのは知っていましたが　ご逝去を知って昨日から一日ずっとブルーだったんです。遺作は今週末から上映予定だったのですが　延期になりましたね。新型ウイルスの収束がより早く収束してほしいと願うばかりです。合掌。☆彡
by ゆうのすけ (2020-04-11 23:51) 

大林さんは、商業映画畑に行かれる以前は実験映画を作っておられやした。
近い将来、劇場で特集が組まれて実験映画時代の作品も上映されたらいいのにな、と思いやす。
あっしは以前、ヤン・シュヴァンクマイエルに影響を受けたと一目で判るピクシレーションを観やした。
by ぼんぼちぼちぼち (2020-04-12 21:08) 

ゆうのすけさん:
コメントありがとうございます。

「時をかける少女」映画館で観て、ビデオでも観ました。いろんな意味で新鮮な映画を観たという感じがしました。
原田知世さんの映画主演デビュー作でもありますね。

大林監督とは関係ない話ですが…。
故・つかこうへい氏のエッセイでは角川映画のオーディションで角川社長
があまりにも原田知世さん(応募資格の15歳に満たなかったので本来なら
選外になるはず)を推すので、そんなに好きなら嫁さんにもらえばいいじゃないかと言ったら、幾つだと思ってんだよと真っ赤な顔になったので、
この人は本気で好きなんだなと思った、みたいなことを書いていました。

肺がんになって余命半年を宣告されたという報道を見て、まだまだ映画を
撮ると言っていたのにと思いましたが、宣告後三年間闘病を続けて新作を
残して逝ってしまいましたね。亡くなられた日が公開予定日だったという
話でなんだか思いを残して逝かれたような気がします。

早くウイルスが人に優しく変異することを願っています。
by suzuran (2020-04-12 21:40) 

ぼんぼちぼちぼちさん:
コメントありがとうございます。

「ねらわれた学園」を監督するまでは、映像作家として実験映画を製作していらっしゃいましたね。またその前にはCMディレクターとしても活躍
していてレナウン娘のCM(知らない人の方が多そうですね)とか、当時は
珍しかったハリウッド俳優である、チャールズ・ブロンソンを起用して
マンダムのCMを作ったり、レナウン系列のブランドだったダーバンや
シンプルライフなど、主にファッション関係のCMをアラン・ドロンや
ジェームズ・コバーンなどのスターを相手に製作していて映画を作って
いるみたいで楽しかったという逸話もありますね。
(昔はCMの予算は上限なし位に潤沢だったようです)

大林監督製作のCMばかりを集めたら、結構すごいメンバーの映画予告
みたいな総集編になりそうですね。

by suzuran (2020-04-12 21:53)