春に旬を迎える魚の話-1 [限定・季節の食材]
はなく、南から春の匂いを感じるような風も吹く季節になってきました。
暦の上では立春も過ぎて梅の便りも届くようになっているので、自然を相手の
農産物や水産物にも季節が反映するようになってきています。
生鮮食品の売り場でも、コウナゴやホタルイカ、セリやフキノトウなどの早春
の雰囲気を感じる食材が並び始めていていますので、売り場の様子を見ながら
春に旬を迎える魚の話を書いて行くようにします。
ホタルイカ:
春の味覚の中でも、かなり早い時期(2月初旬)から登場してくるのが、富山
の早春を告げるホタルイカですね。
全長で10cmにも満たない小さなイカですが、名前の通り体に発光器を持ち網
で漁獲された時などに、幻想的な青い光を点滅させることで知られています。
産地は富山県の富山湾、特に滑川のあたりでは特別天然記念物に指定され春の
一時期以外は漁獲も禁止されて保護の対象になっています。
富山では二月の中旬頃から海岸でホタルイカすくいが出来るようになるという
話を聞いて行ってみようかなと思ったこともありますが、寒い時期に北陸まで
行くのはなかなか決心がつかない(私は天下無敵の寒がりです)のですね。
富山湾全域を目標も定めずにウロウロしてもホタルイカの身投げ(海岸で網で
すくえる状態のホタルイカは身投げと呼ばれます)に遭遇することは難しいと
いうことで、四方漁港、八重津浜、岩瀬浜、海老江海岸(射水市)など重点的
に目的地を絞り込んで情報収集をしないといけないようなので、富山に多少の
気心の知れた知り合いがいると楽しめそうな感じです。
時期的には二月下旬から五月上旬で、海水温が高いと時期が早まるらしいので
今年のように平年よりも気温が高くて雪の量も少なく、雪解け水の量が少ない
と予想されている場合は時期は早まりそうな気がします。
身投げをする時間帯は夜なので必然的に寒くなります。
ましてや海の中に入って掬おうと思ったらそれなりの装備は必要でしょうね。
そして時間帯も20時頃から深夜3時以降のように幅があるので、ずっと海岸で
立っていたら確実に風邪をひくと思うので、出来るだけピンポイントな情報を
集めることが大切で、身投げをする場所に近い釣具店の情報を収集をするのが
ホタルイカ掬いの鉄則と言えそうです。
というようなことで、富山ではホタルイカが身投げをする時期、特に土日祝日
はホタルイカの出没しそうな港や砂浜は大賑わいになるみたいなので、お祭り
イベントのように人が多く、駐車場も満車になる盛況になるようです。
というところで本題に戻ります。
自分で獲るという前提ではなく、生鮮売り場で販売されているホタルイカの話
ですが、ホタルイカは体が小さいため鮮度落ちが早く、ほとんどの場合は産地
でボイルされて小さなセイロに詰められた状態で出荷されます。
最近は冷蔵技術が格段に向上しているため、鮮度が著しく良くて体長が10cm
前後の大型のものについては、刺身用として生で流通しているので東京や大阪
名古屋などの消費地でも、ある程度の金額(ちょっと高額)を出せば刺身でも
食べられるようになってきています。(寄生虫に注意)
ただ、やはり鮮度の低下が早いという点と寄生虫がいることがあるので基本は
ボイル(寄生虫は30秒茹で死ぬみたい)したものを購入するようにして、全く
知らない店ではなく、ある程度利用履歴のある信頼できる店で買いましょう。
ボイルしたホタルイカは、からし酢味噌か生姜醤油がお勧めです。
目玉は硬いので食べる前に外しておくことで食感が向上します。
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