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復活の日・角川春樹事務所 [シネマクラブ]

巷で感染が拡大しているコロナウイルスは、実は武漢にある中国軍の細菌兵器
研究所で人工的に作り出されたものであると陰謀論大好きな一部のネット民が
デマを流しているようですが、DNA型がコウモリの持つコロナウイルスと近い
ということで、感染経路として有力なのは武漢の野味市場(中国ではいわゆる
ジビエ=野生動物の肉のことを野味と言います)で販売されていたヘビの料理
を食べたのが怪しいということになっています。

Snake_soup.jpg

ヘビがコウモリを食べ、そのコウモリが持っていたコロナウイルスが変異して
人間に感染し、さらに変異を繰り返して人から人に伝染するように進化したと
見られているので、バイオ兵器ではないと否定されています。


細菌・ウイルスに感染してパンデミックが起こり、軍隊が出動して集団感染を
隠蔽しようとする映画は、ダスティン・ホフマン主演のアウトブレイクが有名
なんですが、あの作品よりももっと前に日本映画としては破格の製作費を投入
して作られた「復活の日」という映画がありました。



小松左京氏の原作を深作欣二監督が映画化したもので、主演は草刈正雄。
東ドイツの細菌兵器研究所から盗んだMM-88というウイルスを積んだ飛行機が
アルプス山脈で墜落し、春になって気温が上昇し活性化したウイルスが世界に
蔓延し、少数の人間がウイルスの存在しない南極で生き残ったもののアメリカ
で大地震が発生し、ロシア(当時はソ連)の陰謀だと信じ込んだアメリカ軍の
司令官が自動報復装置を起動させて死んだため、地震の揺れによって作動した
核兵器によって地球上の核兵器がそれぞれに自動的に仮想敵対国に発射されて
人類は二度(ウイルスと核攻撃)絶滅の危機に遭遇するものの僅かな人間達が
生き残って復活をするという映画でした。

致死率の高いウイルスと世界で核爆発が起きても生き残る人間が存在するのか
とか、そんなに少数の人間が生き残っても近親交配によって、何世代もの子孫
が残るのか?とか、そういう現実なことをSF映画で考えることは、お作法に
反するという観客側にも暗黙のルールがあった時代なのでヒットしました。



世界でも初めてぐらいの規模の南極ロケとか、ある意味変人というか破天荒な
角川春樹という人がプロデューサーだからこそ出来た映画だったと思いますが
あれから何十年も経ってもウイルスはどこかの国の陰謀だから、戦争に備えよ
とか、そんなことを言っている人がいるのですから、人間の知的レベルは全く
進化していないなと感じます。

現行の法律でも十分に衛生管理は運用可能なのに、内閣に全権を与えて国民の
自由を制限し、国会の議論も停止させる緊急事態条項を入れるために、憲法を
変えなければならないなんて言っている政治家は、「復活の日」の中で狂信的
な陰謀論者で地球を核攻撃にさらしたバカな司令官と同レベルなバカなんだと
自覚して政治家を辞任してもらいたいものです。

何一つとしてまともな対策を打てず、野党の提案をことごとく批判して無策を
続けてコロナウイルスの感染を止められなかった現政権に全権を与えたら日本
の国民の中からどれだけの死者が出るか見当もつかない事態になるでしょう。

映画は作り話だけではなく、何らかの教訓も残してくれています。


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