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現代のさすらいの航海 [問題提起]

古い映画の話にはなりますが、1976年に公開された「さすらいの航海」という
イギリス製の作品がありました。



オールスターキャストで、私的にはリン・フレデリックとキャサリン・ロスの
二人のお気に入りの女優が出ているだけで十分にオールスターなわけでしたが
フェイ・ダナウェイやオーソン・ウェルズ、マルコム・マクドウェルなど主役
クラスの俳優が何人も登場する豪華キャストの映画でした。


ストーリーはナチス・ドイツの迫害から逃れようと、ドイツからの亡命を希望
するユダヤ人が大型客船でキューバのハバナに向かいますが、ナチス・ドイツ
の宣伝工作によるユダヤ人に対する反感が高まり、キューバで入国を拒否され
各国に受け入れを求めるものの入船が許可されないため、世界の国々から支援
を受けることも出来ずにドイツに戻る選択をするしかない状況に追い込まれた
客船の中ではドイツに戻って強制収容所に送られる恐怖で自殺する人が続くと
いう悲劇的なさすらいの航海を描いた作品で、実際にナチス・ドイツによって
引き起こされた実話に基づいて作られている作品です。

古い作品なのでネタバレしちゃいますが、キューバから反転してドイツに向け
航海している途中で、オランダ、フランス、イギリスがユダヤ人難民に対して
入国を許可し、乗客たちはナチスによる収容所送りを回避して、逃れることが
出来たという結果を伝えて映画は終わります。

どうしてこのような古い映画を思い出しかと言えば、コロナウイルスの感染で
横浜港から港外へと退去支持を受けた客船ダイヤモンドプリンセス号の乗客に
対する日本政府の対応があまりにも杜撰で、そういえば世界の港から入国拒否
を受けた様子が描かれた映画があったなということで思い出しました。

diamond_princess.jpg

コロナウイルス関連で入港を拒否されているのは他にも複数ありオランダ船籍
ウエステルダム号はフィリピン、台湾、日本、グアム、タイに入港を拒否され
行き場のないさすらいの航海状態でしたが、カンボジアが寄港を受け入れると
発表したことにより、ようやく公海をさまようことから解放されそうです。

westerdam.jpg

日本船籍の「ぱしふぃっくびいなす」も台湾での寄港を拒否されましたが船内
で感染症の発生は確認されていないため、長崎港に入港し、神戸、横浜と寄港
するスケジュールのようです。

香港では3,600人の乗客の検疫が早急に完了し、特に問題なく上陸まで出来た
とされているのに対して、ほぼ同じ人数の乗客の検疫をいつまでも実施できず
感染者を増やしただけの日本政府の措置は「公衆の衛生に関わる危機について
『こうしてはいけない』と教科書に載る見本だ」「船という閉ざされた環境は
感染症が拡散するためには完璧な場所」と、アメリカやロシアから非難されて
いるわけで、税金の横領のみならず危機管理もまともに出来ない安倍政権には
退陣以外に選択肢はないと思います。


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