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ゾンビ-日本初公開復元版- [シネマクラブ]

約40年前に公開された故ジョージ・A・ロメロ監督と、ダリオ・アルジェント
監修で製作された「ゾンビ(DAWN OF THE DEAD)」の、日本初公開復元版
が11月29日から東京のヒューマントラストシネマ渋谷で公開になり、順次全国
公開という流れになるようです。



私が高校生の時に映画館で観たのが、まさにこの日本初公開版ということには
なるわけですが、その後ビデオ化されたりDVD化されたりした作品とはどこが
違うのか?というと、ジョージ・A・ロメロ監督が最初に映画化したゾンビの
映画である「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は日本では未公開だったと
いうことで、死者が復活してゾンビになった理由を惑星爆発による光線の影響
だと設定した上で、その説明をタイプライターで打つシーンを冒頭に入れたと
いう部分がオリジナル版とは違っていたようです。


最初に観た映画がそれでしたから、当たり前だと思っていたらオリジナル版は
そのシーンはなかったみたいですね。

アメリカでは前作があるからゾンビの発生経緯は理解してんだろ?みたいな話
のようですが、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」が公開されたのはこの
作品の公開よりも10年も前の1968年ですからね、アメリカの観客は理屈より
感じろ(燃えよドラゴンの台詞みたい)的な感じだったようです。

元々、日本での公開はジョージ・A・ロメロ監督のオリジナル版ではなく製作
に関わったクラウディオ・アルジェントの息子であるダリオ・アルジェントが
監修したヨーロッパ公開版を元にしているので、前年に「サスペリア」で日本
の観客に強い印象を残したダリオ・アルジェント監督とジョージ・A・ロメロ
監督の共同監督作品として公開したという経緯もあって、USAオリジナル版
からは残酷シーンもカットされて短縮されていたわけです。
※オリジナル版は127分、日本公開版は115分

確かに当時の私も、あのサスペリアのダリオ・アルジェント監督だからという
理由で観に行きましたからね、ジョージ・A・ロメロなんて全く知らない名前
だったら行かなかったと思います。

サスペリアと同じく音楽をゴブリンが担当していたのもダリオ・アルジェント
が監修だったからということで、オリジナル版はジョージ・A・ロメロ監督の
選曲なので、ゴブリンの音楽が使われたのはヨーロッパと日本だけです。



高校生の時にゾンビのサウンドトラックアルバムを買ってレコードを少し整理
しようと思った時に売りに出したら、2,800円で買ったレコードが5,000円程
の値段がついたので、あれ?と思ったのですが、マニアの方にはかなり人気の
あったレコードみたいで、もうちょっと後で売れば良かったと一瞬、後悔した
想い出のレコードだったりします。

オリジナル版のビデオを観ると、ショッピングセンターのゾンビ襲撃シーンで
ドアの陰で撮影しているクルーが映っていたりしますが、日本公開版ではその
場面があったのかなかったのかは記憶にありません。

ダリオ・アルジェント監督が編集でかなり手を入れていたようなので日本での
公開時にはカットされていた可能性が高いように思います。

ゾンビを映画界のスタンダードにしたのはジョージ・A・ロメロ監督だという
定説に対して、それは違うというつもりはありませんがゾンビと言えば中米の
ハイチに伝わるブードゥー教の呪術で生き返った死体が…みたいな認識の人が
大半だった日本でゾンビ映画にお客が入ったのは別の要因のように思います。

資金難で製作が進まなかったところに、クラウディオ・アルジェントとダリオ
・アルジェントが資金提供をして完成させた関係でヨーロッパと日本の配給権
をダリオ・アルジェントが得て、日本でもヒットさせたわけですから日本での
ゾンビ映画の浸透に功績があるのはダリオ・アルジェントなんじゃないのかな
みたいに個人的には思います。


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