世界パイプカットデーに思うこと [問題提起]
「世界パイプカットデー」と決まっているのだそうで、パイプカットに対する
抵抗感の緩和を目指すキャンペーン、というのが主目的になっていることから
この日に合わせて世界で数千人規模の男性がパイプカット手術をするイベント
ということなのだそうです。(周囲ではあまり聞かないけど)
どこのエリアなのかはわかりませんが、25か国の3000人以上の希望者に
対して、約750人の医師が無償、または割引価格でパイプカット手術をする
ことで人口が増加し続けるエリアでの人口抑制に繋げるということで、日本を
含む少子高齢化に向けて一直線の国ではあまり考えられないことかな。
現在の一般的なパイプカット(精子を運ぶ管を縛る)手術は、カットと表現は
されるものの実際には輸精管を切断してしまうのではなく、精子が通ることが
出来ないように管を縛るだけなので受精能力を復活させたい場合は再開させる
ことも可能になっています。(中には目論見通りに復活しない場合もあり)
以前にはパイプカットをした後での性交で子どもが出来た、と手術をした病院
が訴訟を起こされたこともありますが、手術の直後には残っていた精子で妊娠
してしまうこともあるということが確認されたために病院側が和解に応じたと
いう事例もあるので、パイプカット手術をしたから即日に効果があるわけでは
なく直後には避妊しないと予期せぬ妊娠ということもありえるわけです。
男性の受精能力をほぼ100%規制することの出来るパイプカット手術は日本
以外でも行われていますが、新しい避妊方法として睾丸に超音波を当てること
で、受精能力をゼロにする実験が行われています。
あくまでもラット(ネズミ)での動物実験の結果ですが睾丸に超音波を当てる
ことで、生殖細胞をゼロにまで減らすことが可能であることは確認できたため
超音波を当てるだけという安価で痛みのない方法で確実な避妊が出来る可能性
があることがわかったので実用化に向けて鋭意挑戦中のようです。
ラットは痛いとは言わないのでわかりませんが、ほんの少しぶつけただけでも
女性には絶対に分からない痛みを感じる器官ですからね、超音波で細胞が破壊
される時の痛みも相当なものかも知れませんが、一応は痛みはないという前提
で研究は進められてるみたいです。
研究者の見方では安価で信頼性が高く、妊娠可能な状態に戻すことも出来ると
いう理想的な避妊法になるという話になっていますが、超音波を発信すること
で処置自体は終了かも知れませんが、その後処置に幾らかかるかまでは実際に
人間が処置を受けてみない限りははわかりませんよね。
実際にこの処置をした際には、精液中の精子を確認する作業を行なった後から
避妊の信頼性が有効になるわけなので、実際の医療費の他に精子の存在を確認
する一定の検査料などは必要になると思います。
そしてもっとも懸念されるのは生殖細胞をゼロにした後から、再び生殖能力を
取り戻すことが本当にできるのか?という問題です。
避妊を求めたのだから二度と生殖能力が復活しない方が良いというのも正論と
思いますが、将来的に今後一切精子を作る能力が必要になるということはない
とは言い切れないのが人生の中で起きる数々の出来事であり、子どもが欲しい
女性と再婚することになったとか、子どもを事故によって失ってしまったので
どうしてももう一人欲しいとか、事情によって考え方が変わることがありえる
わけで、むしろ絶対にないとは言い切れないでしょう。
その辺りの対応も含めて、有効性が確立されるかどうかは今後の実験内容とか
世の中の避妊や妊娠、育児に対する考え方の変遷によって変わっていくものと
思いますが、人口減少に悩む国がある反面、人口増に歯止めがかからない国も
あるという事実があるので、人口問題から派生する地球環境問題は人類共通の
課題のようでありながら、実際には着地点は全く逆方向になっているところが
あるのが現代社会の複雑なところだと思います。
やだ。(笑)
by リス太郎 (2019-11-10 04:22)
リス太郎さん:
コメントありがとうございます。
日本でパイプカットをしている人は1%未満だそうですね。
世界で最も実施率が高いのはカナダの22%らしいです。
その差はどこから来るのでしょうね?
単純に日本人の場合はは他人に見せるのが嫌だというのが主な理由の
ような気がします。(自分がそうですから。)
by suzuran (2019-11-11 01:05)