チャンピオンの引退を予感する時 [スポーツ]
いるかと思います。(作詞:谷村新司、作曲:堀内孝雄の曲でした。)
強かったボクシングのチャンピオンが年齢を重ねて若い挑戦者に負けるという
逃れることの出来ない加齢という現実と常に王者であり続けなければならない
プレッシャーから解放されて、普通の人になることを前向きにとらえた名曲の
一つだと思っていますが、プロボクシングで強かったチャンピオンが陥落する
その時に自然に頭の中にこの曲が流れていることがあります。
ここ数年だとWBC世界バンタム級チャンピオンだった山中慎介選手。
「神の左」と呼ばれた攻撃と軽いフットワークによる防御によって具志堅選手
の世界チャンピオン防衛記録を更新すると期待されていましたが、13度目の
防衛戦でTKO負け、再戦したものの王座復帰はならず引退しました。
相手のネリにドーピング疑惑はあったものの、負けた試合での動きは明らかに
12度目の防衛戦の時とは違っていたのも事実で、それまでなら巧みに外して
いたパンチをまともに受けていたのは見ていて痛々しく感じました。
現在は再びチャンピオンに返り咲いているマニー・パッキャオですが、7年前
にファン・マヌエル・マルケスとの試合で意識を失った状態でKO負けした時
にはもう復帰はないだろうなと悲しい思いをしましたが、まさかの復活をした
ことについては加齢による衰えを超える人がいることに驚きました。
という話はともかくとして、体操の全日本選手権が群馬の高崎アリーナで開催
されているわけですが、男子個人総合予選で二年前までの絶対王者だった内村
航平が6種目(ゆか、あん馬、吊り輪、跳馬、平行棒、鉄棒)の合計で37位
になり、30人の決勝枠から外れました。
2005年から13年間決勝進出し一昨年まで10連覇していた日本選手権で
予選落ちするということは、10月の世界選手権(ドイツ)の出場も難しいと
いうのが現実的な見方で、6月に全日本種目別選手権があるものの今回の体調
から考えると上位進出はかなり難しいと見るのが妥当だと思います。
演技に精彩を欠いていたというレベルではなく、あん馬で落下し、平行棒でも
落下、鉄棒でも着地が決められず、両肩の痛みで本人のイメージ通りの演技が
出来ないということで文字通りの満身創痍状態になっている理由は長年の酷使
と加齢ということなので、休養して改善というものではなさそうです。
スポーツ選手にはいつか必ず訪れる加齢による引退。
30歳の内村航平選手にとっては早すぎると見るのか、第一人者としての練習
の日々は一般人から考えたら肉体の酷使としか思えませんから、第一線からの
引退という発表も遠くないかも知れないと思っています。
ゴルフの世界ではタイガー・ウッズの復活もありましたが、激しい動きを伴う
全身運動である体操の選手ですからね、復活はハードルが高そうですよね。
ボクシングの偉大なチャンピオンが予想と全く違う負け方をした時の表現する
ことの難しい気持ちで、現在の内村航平選手を見ています。
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