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怠けていないナマケモノ [動物・ペット・虫の話]

昔話の中で畑仕事をしない農民は怠け者と呼ばれる場面がよく出てきます。
そういう怠け者が意外な場面で大活躍してしまったりするのが、フィクション
を盛り上げる要点にもなっているので、話の中では怠け者だからと村人たちに
弄られていたりしますが、嫌われ者として描かれている例はあまりないわけで
むしろ愛されキャラ的な扱いになっていることが多いです。

folivora.jpg

その見方を引き合いにすれば、動きの遅い動物がナマケモノと呼ばれていても
悪意はないという考え方も出来るかも知れませんが、それでもダイバーシティ
という考え方が重要視され始めた今の世の中で、生態的に動きが遅い生き物を
ナマケモノと呼ぶのは問題ではないかという議論はあまり聞きません。


人間の首の骨は7個でありながら、あの長い首のキリンも首の骨の数は7個と
いうのは哺乳類同士の繋がりなので不思議なことではないと言われていますが
何故か、ナマケモノだけは首の骨が10個あって他の動物よりも首が長いという
事実はあまり知られていなくて、小馬鹿にされているような名前を付けられた
ナマケモノはかなり進化の形態が違う希少な生き物なんですよね。

そんな特殊な特徴を持つ生き物に、人間の勝手なイメージでナマケモノなどと
いう、いかにも非生産的な名前をつけられてしまっていることはやはり問題で
あると思いますし、生まれながらに動きが遅いからナマケモノという名前でも
問題ないじゃないかと考えるような人達がいるから、身体障害者に対して動き
が遅いと罵倒する奴がいたり、人を雇用した後で動きが遅いから三か月の試用
期間が終わったから退職したもらうなんていう経営者がいたりするわけです。

素早く動こうとしても特性上動けない生き物に対して、明らかに人間の視点で
ナマケモノと名前を付けてバカにする人間の方こそ他者に対する気遣いのない
野蛮な生き物だと、ナマケモノは怒っていると思います。

さらに付け加えるならばアホウドリ。
人間は優しい生き物だから気を許して逃げないでいたら、素手で捕まるほどの
「アホウな鳥」だからアホウドリだって?ふざけんじゃないよ、と両方の羽が
ワナワナと震えるほどの怒りが、アホウドリにはあると思いませんか。

Albatross.JPG

信頼を裏切った挙句に、アホウ扱いとは同じ人間から見ても全く理不尽な話で
アホウドリに対する名誉棄損のレベルは相当なものです。

もう一つの例としてバカガイですが、時間が経つとペロンと無防備に舌を出し
バカみたいだからバカ貝という説と殻が薄くて貝殻がすぐに割れてしまうので
破殻貝(バカガイ)という二つの説がありますが、一つ目だとしたら貝の生態
に賢いとかバカとか関係ないだろ人間のイメージでバカと言うな!とバカガイ
は逆上していることでしょう。

ナマケモノ、アホウドリ、バカガイの名前をもっと普通な名前に変更するべし
という、そんな提案は生き物地球会議を開催するべきです。

結論として、人間以外の生き物だから人間目線の固定観念で名前を付けて良い
という発想と、知的レベル、運動レベルを基準にして一定の水準に達しない人
に対して差別的な対応をしたり、極論として知的障害、身体障害のある人達を
不幸だと決めつけて殺害した唯我独尊の人物もいたりするのは、根の部分では
同じように差別的な考えを持つ差別主義であり、アマケモノやアホウドリなど
差別的な呼び方をされている動物の名称を根本的に変えようと思わない日本の
大多数の人の中に差別を容認する無意識な罪があると思います。

この国では、美しい国だ、国を愛する心だと似非愛国者たちの大声が、異様に
目立つ国になりつつありますが、根本的に差別的な発想を排除する動きがない
限りは日本が世界から尊敬される国になることはないでしょう。

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諸悪の根源となっているのが、この男だと海外では見られています。

残念ながら、それがこの国の民度が低い原因だと思います。


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