日本人がグラミー賞を受賞 [シネマクラブ]
がロサンゼルスで開かれ、東京出身の日本人ヒロ・ムライさんが最優秀MV賞
を受賞したというニュースが流れました。
受賞作品はチャイルディッシュ・ガンビーノ(この人のことは全く知りません
が、最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞しています)のヒット曲のMVで
タイトルは「ディス・イズ・アメリカ」です。
アメリカの銃社会を皮肉った社会性の強い作品のようですが、アメリカの良い
ところは、日本のように歌手は政治的な発言をするなとか、社会問題について
意見を言うとスポンサーに干されるなんていう前近代的な批判をする似非右翼
や整形外科医、お笑いタレントなんてのが存在しない、または存在しても発言
した当事者が社会的な批判を浴びる健全な自由があるところで、こういう点は
日本の放送局や芸能事務所が積極的に学んで欲しいところですね。
この作品を手掛けたヒロ・ムライさんは東京出身とは言うものの9歳ですでに
ロサンゼルスに移住しているので、日本の芸能界の悪しき慣習に晒されること
なく映像ディレクターとして活躍できたことで、日本流の時の政権に迎合する
矜持のないスポンサーの提灯持ちのような作品を作って、自身の感性を劣化の
方向に引きずられなかったことが今回の受賞に繋がったと思います。
ヒロ・ムライさんのお父さんは、「翼をください」や「白いサンゴ礁」そして
札幌オリンピックのテーマ曲の「虹と雪のバラード」などの作曲家で、YMO
のプロデューサーとしても知られる村井邦彦さんということで、お父さんから
受け継いだ感性を日本の一部に存在する偏狭な音楽業界で潰されなかったのは
良かったのではないでしょうか。
日本人だから優秀とか、日本人だから誇らしいという見方は全くありませんが
日本レコード大賞やNHK紅白歌合戦のように業界内部の影響力の強弱が歌手
の実力差を上回る本来あるべき姿とは全く違う形で受賞をしたり、選抜される
日本の芸能界の古臭い体質が一番不細工に見えて仕方ないです。
社会的な問題を正面から問題として捉えて、それを音楽や映像という形で是正
する方向に持って行こうとする志のある人に対して、正当な評価をして受賞を
決めるアメリカの音楽業界の健全さがとても良いと感じました。
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