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F1をテーマにした映画「ラッシュ/プライドと友情」 [シネマクラブ]

1976年は、日本で初めてF1が開催された年でした。
シリーズ最終戦として日本で初開催されたF1は、シーズンの中盤までは
異常なほどの強さで、年間チャンピオンに近付きつつあったニキ・ラウダ
と、ジェームス・ハントの優勝争いに、スポット参戦の国産マシンである
(KE-007=小島エンジニアリング)で果敢に戦った、長谷見昌弘や
後に日本一速い男と呼ばれた星野一義なども出場して、イベントとしても
それなりに盛り上がったのでした。



当時はスーパーライセンスとかの規定はなかったのかな?とも思いますが
日本の開催なら日本のドライバーは出場できたみたいで、見方によっては
ローカルルールがあって集客には貢献したとも言えるかもですね。


当時は、まだまだカーレース=健全なモータースポーツという感覚は無く
一般社会(マスコミ)の視点は、レーシングドライバー=暴走族の出世頭
というような感覚で、白眼視されていたのが実際のところで、実際に観客
の中にも改造車で乗り付けてトラブルを起こしたおバカもいたようです。

というような時代背景というか、日本の社会のモータースポーツに対する
蔑視的な見方があった頃、F1の世界では歴史に残るチャンピオン争いが
繰り広げられていた…というテーマで作られた映画が「ラッシュ」です。



ニュルブルクリンク(ドイツ)の事故によって、炎に包まれながら六週間
で蘇ったニキ・ラウダと、ワールドチャンピオン争いで二位に付けていた
ジェームズ・ハントの二人のレーシングドライバーが、最終戦となる日本
グランプリで、二人のうちの一人がワールドチャンピオンを決めるまでの
1976年のF1日本グランプリを映画化したもので、バックドラフトの
ロン・ハワードが監督し、ヒットはしませんでしたが話題になりました。

ジャニーズのファンにはともかく、F1のワールドチャンピオンを争った
二人のトップドライバーの吹替をKinki Kidsが務めたのは日本
の配給会社の大失敗だったと個人的には思っています。

註)ニキ・ラウダ
シーズン10戦目のドイツグランプリで事故に遭い、炎に包まれたことで
顔などに重度の火傷を負って瀕死の重傷となるものの、一ヵ月後に奇跡的
な復活を遂げた名レーサーとして有名、レース界を引退後にはラウダエア
(オーストリア)というチャーター専門航空会社を設立し、順調に業績を
伸ばし定期路線を運航する航空会社に育て上げてから売却、現在は一回り
小さな航空会社のオーナーであり、メルセデスの非常勤会長です。

Niki Lauda_win.jpg

結局、予選1位はマリオ・アンドレッティ(ロータス)となり、決勝当日
は大雨になりましたが、ポールポジションから順位を下げることなく首位
を守り通したマリオ・アンドレッティが優勝しました。

激しい雨の中でも躊躇無く決行されたレースをクレイジーだと言って棄権
したニキ・ラウダの年間ポイントを、3位に入賞して逆転したジェームス
・ハント(マルボロ・マクラーレン)が、総合優勝をして幕を閉じました
が、日本でのマスコミの論調は、ニキ・ラウダのコメントを引用して危険
なレースを強行した命がけのイベントであったという扱い方になっていて
海外での見方とは違った、黒歴史的な扱いとなっています。

映画とは関係ありませんが、翌年の第二回日本グランプリにおいて観客席
の隣の立ち入り禁止区域に入り込んでレースを観戦していた観客の中へと
部品やエンジンが飛び込む事故が発生して、日本のレースカレンダーから
F1が抹消(鈴鹿で復活したのは、かなり後になってから)されたことが
日本人ドライバーがなかなかF1のシートを獲得できなかった原因の一つ
なのではないかと思ったりします。

ニキ・ラウダは、現在もメルセデスAMGの非常勤会長を務めていますが
今年の夏に肺の病気が悪化し、命の危機となる状態になりましたが肺移植
手術を受けて生還を果たしました。

ほぼF1と航空会社経営のビジネスに従事しているニキ・ラウダに対して
プレイボーイで、快楽主義的に人生を謳歌していたジェームズ・ハントは
文字通り「太く短い人生」で45歳の若さで心臓発作で急逝しています。

After James Hunt.jpg

ドライバーとしての走り方、考え方と同じく、全く正反対のような人生の
二人はいろいろな意味でのライバルだったがために映画のテーマとしても
取り上げられることになったのでしょうね。

映画自体はもう一度見ても良い内容だったと思っています。


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