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厳冬期の海の幸・イカの話 [限定・季節の食材]

日本で消費される水産物の上位品種は、毎年ほとんど変化がないのですが
いつも上位にいる常連の一つが今回の話題に選んだイカです。

量販店で、もっとも普通に売られているのはスルメイカ、ヤリイカが主体
ですが、他に刺身用としてアオリイカやソデイカ(タルイカ)なども高め
の値段ですが見かける割合の高い種類と言えますね。

Cuttlefish-1.jpg

他にも冷凍のマツイカや、ムラサキイカなどがありますが、これらは海外
の漁場で日本漁船が漁獲したり、現地の漁師が漁獲したものが輸入されて
いるもので、イカの姿のままでなくステーキなどの加工品に姿を変えて、
販売されています。


また、これからの季節の限定素材としてホタルイカが晩春までほんの短い
間だけ店頭に並ぶようになります。

ホタルイカは通常200~1.000メートルの深い海に棲んでいますが、産卵の
シーズンになると海面近くまで浮上してきますので、それを定置網で漁獲
して、鮮度が落ちない短時間の間に全国に発送されています。

hotaru_ika.jpg

北海道~朝鮮半島の日本海側に広く分布しますが主産地として有名な富山
の漁場である富山湾は地形条件がもっともホタルイカの漁獲に適している
と言われていますが、その理由は陸地から海底へ急激なすり鉢状になって
いるために浮上した魚群が一ヶ所に集まりやすいからと言われています。

このホタルイカだけでなく、イカは寒い時期に美味しくなる水産物の一種
とされていて、生はもちろん煮たり焼いたり揚げたりといろいろな調理法
で食べることが出来る上、骨がなくて食べやすいという特徴や値段的にも
手頃という理由もあって、多くの家庭や業務用として利用され、一年間の
利用量は約45万トンに上ります。

栄養面では、魚肉とほとんど同じような成分を含有していて、蛋白質の量
では魚種によってはイカの方が多い場合もあります。

Cuttlefish-2.jpg

以前には、イカは身肉に含まれるコレステロールが多いので生活習慣病の
人は食べる量を減らした方が良いという意見もありましたが、同じイカに
タウリン(某栄養ドリンクは、タウリン1000mgを売り物にしています)が
多く含まれていることが解明されたために最近はイカ悪玉説は、ほとんど
聞かなくなりました。
※ タウリンは血中コレステロールの低下作用があります。

寒い時期には栄養を体内に蓄えるので、いろいろな旨み成分も同時に体内
に蓄えられるのでイカは甘みを増して美味しくなるわけですが、イカ自身
は人間に食べられるために栄養を蓄えて美味しくなっているわけではない
わけですから、さぞかし不本意なことではないかと思います。


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