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リメイクは?エマニエル夫人 [シネマクラブ]

1974年ですから44年前の作品になりますが、今では鬼籍に入られた
シルビア・クリステルという女優がジュスト・ジャカンというカメラマン
が初監督作品として発表したエロティックな愛の物語(単純に言うと奔放
な自由恋愛を描いた作品)がエマニエル夫人でした。

ソフトフォーカス(ぼかした映像)で、生々しさを抑えたことで女性客が
大挙して映画館に押し寄せ、ポルノ映画としては異例のヒット作品なんて
言われましたが、海外のポルノ映画はハードコアなのに対して、イメージ
映像みたいな感じですし、男目線の日本のポルノ映画とも違いました。

日本では日活ロマンポルノとか、新東宝(だったかな?)などの独立系の
プロダクションが駅裏などの人の目を避けるような場所にある映画館向け
に官能映画を製作していた時代だったと思います。


男性でも今のように堂々?と風俗店に行ったり、アダルトビデオを借りる
というような時代ではなくて、女性がポルノを見るなんて自主規制なのか
ご法度なのかわかりませんが、まずありえないような世の中で、この映画
は「女性が見る革新的なポルノ映画」として公開されました。

当時の私はまだ小学生、さらに今のようにインターネットがあるわけでも
ないので、映画雑誌などから、ある程度の情報収集をすることは出来ても
実際の映画を見るなんてことは出来ない時代でしたから、街の噂を聞いて
興味津々でも映画を観ることなんてことは絶対に無理でしたね。

せいぜい、同級生と「芋煮てる夫人」なんてギャグ話をしていたぐらいで
やっぱり小学生なんて、そんなものです。

Sylvia Kristel.jpg

外交官の妻が、パリから夫の赴任先のタイへと引っ越しての奔放な性愛の
物語というのが、話の本筋だったと思いますが、パリから旅立ってすぐの
飛行機の機内でのゆきずりのセックスから、タイの自宅(だったのかな?
イマイチ不鮮明な記憶)での濃厚なセックス、そしてレズビアンと何でも
ありありという感じのお話で、日本なら「色情マダムの性愛遍歴」なんて
タイトルが付きそうなんですが、なんと言っても性も文化のフランス製の
映画ですからね、単なるポルノ映画という扱いではなく、一般の洋画系の
興行として上映されていました。

監督のジュスト・ジャカンは女性を美しく撮ることで有名なカメラマンで
映像も柔らかなイメージ(ソフトフォーカスを多用して、あえて鮮明に裸
を強調しない作風)で、ポルノ的な映画としてよりも、新しい時代の女性
の愛し方、愛され方を提案する意味で作られた映画でした。

でも、この映画の公開をきっかけに、日本の女性の性愛に対する考え方は
大きく開放されたような感じはしますから、日本の性意識を変えた革新的
な映画として、いつまでも話題の中に上がってくると私は思います。

histoire-do.jpg
「O嬢の物語」というSMをテーマにした作品が同監督の二作目でした。

続編とか、新エマニエル夫人とか、亜流、我流も含めて、同じ様な作風の
映画もたくさん登場しましたが、やっぱりね、女優シルビア・クリステル
監督ジュスト・ジャカンというイメージの第一作の印象が強くて、二匹目
三匹目のどじょうは捕まえられなかったようです。

そして時が過ぎて、かなり前にリメイクの話がありましたが、続報が全く
ありませんから、話自体が無くなったみたいですね。

何でもかんでも新しく作り直せば良いというものではないことは、邦画も
洋画も関係なく最近のリメイクブームが証明してしまっていると思うので
無理に作らない方が良いということに気付いたのでしょうね。


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