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鮭の卵・イクラとすじこ [限定・季節の食材]

秋鮭の話を書いたついでと言っては何ですが、鮭の遡上が本格化している
今の時期には量販店の店頭に生イクラが登場してきますので、イクラ好き
の人にとっては、年に一度、鮮度の良い自家製のイクラのしょうゆ漬けが
食べられる時期ということになります。

ikura_salmon.jpg

最近は人工イクラの普及で、回転寿司のイクラは偽物という噂が広がって
本当に全てがそうだと思われている方も多いかと思いますが、イクラにも
ランクはありますから紅鮭のイクラのように高いものからカラフトマスの
マスイクラのように安いもの存在しているので、手間をかけた人工イクラ
よりもマスイクラの方が原価は安い、という現実があることを考えた場合
回転寿司のイクラは全てが偽物という見方は出来ないように思います。


sake_sanran.jpg

本来はイクラは鮭(秋に遡上する秋鮭=白鮭や紅鮭、マスノスケなど鮭の
仲間)の卵のはずなんですが、マスも英語ではサーモンと呼ばれていると
いうこともあり、ニジマス(海で養殖するとサーモントラウトという名前
で呼ばれます)やカラフトマスの卵もイクラと呼ばれます。

さすがに良心が咎めるのか、マスイクラと表記されている場合が多いので
量販店の売り場では一目瞭然だと思います。
イクラにも鮭のイクラとマスのイクラがあるという話はこの辺にして次に
同じ魚卵でもイクラとすじこに分かれている件についての話にします。

まず、基本的な話としてイクラとすじこの違いなんですが、簡単に言うと
イクラは卵の粒々が一つずつばらけていて、粒も少し大きめなのに対して
すじこは鮭から取り出されたままの状態の卵巣そのものなので、薄い膜に
包まれていて生臭みが強いこともあり苦手な人も多いようです。

イクラに利用される卵は成熟卵に近いのに対して、すじこは近海や沿岸部
で夏頃に取れる鮭が持っている未成熟の卵なので、ばらけさせるほど粒が
大きくないため卵巣に入ったままの状態で醤油漬けや塩漬けに加工されて
市販されていますので卵を保護する膜に包まれていて生臭いですし卵自体
の粒もまだ小さいのですが、味が濃厚なので、おにぎりの具として使うと
意外に美味しい庶民的な鮭類の卵とも言えます。

それに対してイクラは成熟卵のために、卵の一粒一粒が脂肪に富んでいて
旨みがあるということと、すじこ程の生臭みがないので苦手な人が少ない
食材と言えます。(それでも生モノですから生臭くないとは言いません)

ただ、川の遡上を開始した頃に漁獲されたものは、さすがに卵自体の成熟
が進みすぎていて、一粒毎の卵の皮が厚くなるので卵の皮が口の中に残り
食感が悪く美味しくない物になってしまいますので、卵の粒の成熟度合い
の見極めが肝心とも言える食材です。

sujiko.jpg

卵巣に入ったままの生の鮭の卵が売られる季節になりますが、あの大きさ
に成長したものは、さすがにそのまま醤油漬けにして「すじこ」として、
利用するには無理がありますから、卵をバラして自宅でイクラの醤油漬け
を作ると美味しく食べられます。

ボウルに卵巣を入れて、塩をサッとまぶして人肌よりも少し熱めぐらいの
お湯を卵巣が沈み込む程度まで入れて、雑巾を絞る要領で軽めのキュッと
左右の手で捻ると卵だけがポロポロと落ちるので、手早く作業をこなして
卵だけを取り出し、みりん+醤油、または、日本酒+醤油の調味液の中に
浸け込んでラップをかけて冷蔵庫に入れておくと簡単にイクラの醤油漬け
を作ることが出来ますので、お試しくださいませ。


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