ハチは報酬でやる気になる [地球環境・自然・宇宙]
ありまして、ハチが太陽に戦いを挑んで死んだという歌詞の意味が今一つ
というか、ほとんどわからなかったのですが、ある程度、社会問題などに
興味を持ち始めてから、ハチは学生運動や市民運動などの社会運動に率先
して参加して国家=太陽に対して闘いを挑んだ人を比喩していたという話
を聞いて歌の深い意味を知りました。
という話はともかくとして、ハチのムサシは比喩だけではなく実際にハチ
の世界には権力に対して戦いを挑む、強い意志を持ったムサシが存在する
可能性があることがハチの研究者の発表でわかりました。
ハチを捕えて調べたところ、ハチの脳には人間と同じ脳内化学物質が発生
していることが、実験の結果として解明され、その化学物質の量によって
行動力に差が出るということも、イリノイ大学の研究チームが突きとめて
科学誌のサイエンスで研究論文が発表されています。
一つの巣箱の中で巣を遠く離れて活動したがる冒険好きなハチと巣の周囲
のエサ場を固定化して冒険を望まないハチの脳を比較すると遺伝子活性の
レベルが大きく違っていたことが確認され、ハチに作業の成果として報酬
を与えると、脳内のグルタミン酸やオクトパミンのレベルが上がり冒険を
したがらなかったハチが冒険へと飛び出すようになり、逆にドーパミンを
遮断すると引きこもりがちなハチになることが証明されました。
人間と同じくモチベーションを高めることがあると冒険家のハチが育まれ
快楽物質のドーパミンが遮断されると夢も希望もない状況が作り出されて
しまうために簡単に言えば、うつ状態になってしまうのですね。
ハチが集団で巣の移動を繰り返し新たなフロンティアを求め続ける理由が
人間と同じように冒険心の発露であり、その元となっているのが脳内化学
物質の作用であることがわかったことで、ハチが常に新しいエサ場を求め
移動を続ける行動力を持ち続けることが出来る理由もわかったわけです。
ハチのムサシは太陽に挑む、という目標を持ったことで戦う冒険家となり
みつばちハッチは王子様としてママに再会することを目標にスズメバチと
戦いながら冒険を続けられたということになります。
昔の歌やアニメーションの作者の着眼点は凄いですね。
アリのムサシやハエのハッチではダメだ、ということを直感で感じとって
ハチを主役にしたのだとしたら科学を超えた勘が働いたようです。
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