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ルールを守れないボクサーは排除 [スポーツ]

昨年、メキシコ人のルイス・ネリとの防衛戦で、タオル投入の試合放棄で
TKO負けをして、WBCバンタム級チャンピオンから陥落した山中慎介
選手が、王座復帰を目指して両国国技館で行われたネリとの再戦でしたが
対格差のあるネリの攻撃によって見せ場なく2ラウンドTKO負けという
結果に終わった山中選手は正式に引退を表明しました。



見るからに体格差を感じる両者でしたが、ネリは前日の計量で規定体重を
オーバーして王座をはく奪されていましたので、山中選手が勝てば新王者
ネリが勝っても王座は空位となり今後行われる王座決定戦でチャンピオン
が決定するという条件付きの試合でしたので、ネリにとっては失うものは
何もなくファイトマネーは稼げるというプライドのない試合でしたね。

仮定の話として、ネリが規程を守ったとしても前回の敗戦の様子から苦戦
敗戦の確率は高かったとは思いますが、ルールを守って勝つのとルールを
無視して勝つのでは印象は全く違います。


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そもそもボクシングがフェアな真剣勝負であるという根拠は、戦う両者が
同一の体重規定を守ることによって成立するものであり、もしも体重差が
1キロだったとしても、パンチの重さやパンチを受けた時のダメージなど
に大きな差が出ることから、そういう体格の差ではなく純粋に技量の差で
勝敗を決めるからボクシングはエンタテイメントではなくリアルスポーツ
としての価値があるはずです。

規定体重を上回って王座をはく奪されても試合自体は実施が可能で、試合
に出た以上は、ファイトマネーも減額無しで受け取ることが出来るという
慣例は体重別の階級制というボクシングの根本を否定するものであり選手
は当然、さらに観客も蚊帳の外となる愚策あることは明確です。

今回、ネリの前日計量の体重は一度目の計量で2.3Kgオーバーとなり
二時間の猶予後の二度目の計量でも1.3Kgのオーバーとなったために
その時点で王座ははく奪になっていますから、そもそも翌日の試合が実施
されたこと自体が本来あるべき姿ではなかったと思います。

バンタム級の体重リミットは53.524kg、それに対し一度目の計量
の体重の55.8kgは二階級上のスーパーフェザー級ですからね、当日
の計量では両者ともライト級の体重になっていますが、極限まで減量した
翌日に体重を増やしたのと、賞金稼ぎ的な感覚で無理をせず、体力を温存
した翌日にさらに体重を増やしたのとでは体調に差が出るのは当然です。

試合後、JBCは今後一年間のネリの招聘を禁止する制裁を発表し、認定
団体のWBCはネリに対して無期限の資格停止とファイトマネーの70%
を凍結(事実上の支払い停止)を発表、ネリの規程超過を受け入れがたい
とコメントを出して、WBCからの追放が決まったようなものです。

今後、他の団体がネリのランキングを発表すれば試合が出来ますがIBF
はWBCに同調する方向のようですし、他の各団体でも悪しき前例のある
ネリが試合が出来るようにするとは思えないので、もう一度勝って王座に
返り咲くと言っていたネリはボクサーとしては終わりましたね。

この処罰が正式な統一ルールになれば、今後も同じようにしてとりあえず
勝ってファイトマネーだけはもらっちゃおうという考え方は認められない
ことになりますから、そういう方向で世界基準にして欲しいです。


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