松方弘樹さん・悪性脳リンパ腫で死去 [訃報・追悼]
療養に入っていた俳優の松方弘樹さんが都内の病院で亡くなりました。
やくざ映画やドラマ「遠山の金さん」で見せていた強面の側面、女遊びを
芸の肥やしと公言する昭和の大スターの側面、パラエティー番組で初披露
して以来、多くの人が知ることとなった笑い上戸の側面、そしてマグロや
カジキとの真剣勝負を志向する釣り師の側面など、いろいろな人の生き様
を見せてくれていた役者がまた一人この世を去りました。
悪性脳リンパ腫という病気は以前はAIDSなどの免疫力が低下している
患者が発症する特殊なリンパ腫(そもそも脳にはリンパ節はない)だった
ようですが、最近は50代ぐらいから免疫不全がなくても発症する患者が
出始め、特に高齢者に多い病気として世界中で急増しているようです。
脳の中だけに限って血液内のリンパ球がリンパ腫になる病気ということで
イメージがつかみにくい病気ですが手術によって切除して完治するもので
なく、放射線療法と化学療法(脳には血液脳関門という不純物を通さない
バリア機能があるために通常の化学療法の薬品は患部まで到達しないため
メトトレキサートという特別な薬品を使用)の併用によって治療する病気
なんですが、予後はあまり良くないという話はありました。
現在、日本国内には男女合わせて約3万人の悪性脳リンパ腫の患者さんが
闘病しているということですので、単純に治らない病気という表現は失礼
にあたるかと思いますが、再発頻度が高く治りにくい病気のようです。
診断が確定した後、経過を観察するだけの場合は余命2-3か月と進行が
早い病気で、手術を行って腫瘍を摘出しても余命は1-4か月となり治療
の効果はほとんどありませんから、松方さんが手術を断わったのは適切な
判断だったとは思います。
放射線治療をすると60%ぐらいの確率で腫瘍が消えるものの再発が早く
余命は10-18か月になり、メトトレキサートを併用することによって
33-39か月(約3年)の延命が出来ますが完治は難しいということで
延命についてはまだまだ伸ばして行くことが出来そうですが、痴ほう症状
などが出てくるので患者のQOLの質を高めることには繋がりませんから
医師も家族も悩み多き病気だと思います。
数日前に体重が20キロほど減少して、状態が良くないという話をチラッ
と見かけましたが、亡くなることを暗に示唆した情報だったようですね。
いわゆる昭和の「男らしい」俳優が他界していき、本格的な時代劇や任侠
映画などは作りにくい時代になったかもしれませんが、時代劇を望む人も
また冥土に旅立っていますから、それはそれでバランスが取れているとも
言えるのかもしれませんね。
さすがに明日は我が身とは思いませんが、いろいろな病気に罹患する確率
が高くなりつつある年齢ではあるだけに他人事ではありませんね。
松方弘樹さんのご冥福をお祈りいたします。
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