本気を示したホンダの組織変更 [モータースポーツ]
昨年はパワーユニットの不調というか、メルセデス、フェラーリ、ルノー
と比べて圧倒的なパワー不足のため、フェルナンド・アロンソがGP2の
エンジンだと酷評するぐらい不出来なエンジンであったため、復帰会見の
際には初年度はともかく、二年目からは常時表彰台を狙える体制づくりを
するなんて話はシーズン途中で消滅してしまい、完走が目標という全くの
新参チームのような戦い方で一年を終えていました。
ホンダの総責任者の新井氏の処遇について、事実かどうかはわかりません
が、フェルナンド・アロンソは勝つことに情熱を向けられない総責任者は
不要だとして更迭を要求しているという話もありました。
そして2016年シーズンになり、ホンダは現場の総責任者を新井氏から
長谷川祐介氏に変更(アロンソが異動を求めたというが事実なのかどうか
はわかりませんが…)し、F1担当役員を新設して今年はホンダが本気に
なったと幾つかのメディアで書かれています。
それじゃあ、去年は数百億円ともされるエンジン開発経費を投入しながら
本気ではなかったのか?ということになってしまうので、もちろん本気で
取り組んだもののブランクの長さが、実戦で戦うだけのエンジン開発力に
生かせなかったということだとは思いますが、マクラーレン側の落胆ぶり
はCEOのロン・デニスやチームマネージャー、ピットの責任者などへの
インタビューやフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンの各レース
での予選後のコメントの中で自然に表れていたように感じていました。
新井氏の退任については今年で60歳になるために、企業としてのホンダ
の定年の年になることと、4月1日付の人事異動の前の合同テストの段階
で引継ぎをするのが最適だと判断されたからだと新井氏は述べています。
そして2016年シーズンになり、新型車MP4-31が発表されて翌日
からはバルセロナでの共同テストでの走行が開始されました。
初日はジェンソン・バトンが走り、二日目にはフェルナンド・アロンソが
トラブルなく119周を走って昨年とは比較にならないレベルの信頼性を
示すことが出来ましたから、今後のテストでタイヤのコンパウンドや燃料
の残量に応じてのマシンの挙動なども含めた高速性能が試されます。
ちなみに去年のバルセロナでのマクラーレン・ホンダの四日間の周回数は
79周、初日と二日目の合計は12周でほとんど止まっていましたからね
今年は初日だけで四日分以上を走ることが出来たわけです。
まだ空力特性などをテスト中なので、あまりタイムは参考になりませんが
昨年のテストでの最高タイムは、ジェンソン・バトンが1分27秒660
フェルナンド・アロンソが1分35秒553でした。
それに対して今年は、ジェンソン・バトンは1分26秒735と約1秒の
短縮、フェルナンド・アロンソは1分26秒082と9秒の短縮でした。
オーストラリアGPで優勝は難しいとしても、表彰台を狙える位置までは
近付いているような気がします。(好意的な目線ですけどね)
後、他チームではワークスになったルノーが平均40周しか走れない不調
であるのに対して、レッド・ブルは平均で100周以上も走ってタイムも
約3秒の差が出ているのが目立ちます。
同じエンジンを使用していながら、これだけの差が出るのは車体の問題と
いうのことが当然、指摘されるわけでオーストラリアGPまでの残り二回
のテストで、どこまで調整が出来るかという状況にあります。
レッド・ブルの車体を作る開発力が自他ともに認めるように非常に高いと
いうこともあるでしょうが、ルノーの車体開発力が低いという逆の側面も
大きく関係していると思いますが、まだ結論を出すには早いですね。
2016 F1全チーム&マシン完全ガイド 2016年 4/3 号 [雑誌]: オートスポーツ 増刊 雑誌 by G-Tools |
コメント 0