作家の野坂昭如さんが死去 [訃報・追悼]
今年も残り約一か月となったところで、漫画家の水木しげるさんに続いて
作家の野坂昭如さんが亡くなりました。
決して品が良いとは言えない「エロ事師たち」で作家デビューし、その後
永井荷風作の「四畳半襖の下張り」を雑誌に掲載して、わいせつ文書販売
の罪に問われて、わいせつの概念を最高裁まで争う(結果は敗訴)などの
側面がある一方で、戦争の悲惨さを描きアニメ化もされた「火垂るの墓」
で直木賞、「おもちゃのチャチャチャ」でレコード大賞童謡賞を受賞する
など、作家としてもいろいろな分野で評価されていました。
CMで、作家になるまでに多様なアルバイトをしていたことを披露したり
自作の「黒の舟唄」や「ソクラテスの唄」も歌って歌手としてもヒットを
出したこともありました。
参議院選挙で当選して参議院議員になり、金権政治を批判して議員を辞職
したこともあれば、故・大島渚監督のパーティーで演壇上で監督を殴って
物議を醸したりと個性的な作家として活躍していました。
水木しげるさんも野坂昭如さんも戦争を実体験した人として、自らの体験
に基づいて、戦争に正義はないことを伝える大切な役割を担っていたこと
もあり、とても残念な逝去です。
安保法案が国民の過半数が反対している状況で強行採決によって成立した
その年にお二人が亡くなってしまったことで時代の転換点になってしまう
のか、非常に大きな岐路のように思います。
戦争に反対を言い続けることによって、水木しげるさんや野坂昭如さんの
遺志を継ぐことが大切だと思っています。
野坂昭如さんのご冥福をお祈りします。
マスコミ漂流記 (銀河叢書) 野坂昭如 by G-Tools |
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