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戸塚ヨットスクールの記録映画「平成ジレンマ」 [シネマクラブ]

約30年以上も前の話なので、ほとんど記憶にない人もいれば、世の中に
生まれてさえいなかった人もいるとは思いますが、愛知県美浜市にあった
ヨットの技能研修をする私立の施設、戸塚ヨットスクールにおいて研修生
が体罰を受けたり自殺したりすることが続き「戸塚ヨットスクール事件」
と呼ばれて大きく報道されていました。

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愛知県美浜町(知多半島)に、現在も実在する戸塚ヨットスクールという
ヨットの操舵を教える私設学校で、ヨットの操舵を学ぶ過程で自然に触れ
海上では一人で判断し、行動することで人間形成に役立つということで、
実際に不良と呼ばれていた少年たちが更生したという評判を聞いて全国の
情緒障害児と言われている親が入校を申し込んで、順番待ちをしなければ
入れない程の人気を集めた学校でした。




戸塚宏校長の体罰を恐れず、体罰は教育だという方針の元で、当初は単に
ヨットに乗ってみたいという理由で入校していた生徒は減少し、何らかの
問題を抱えた情緒障害児のみを体罰や罵倒によって更生させる施設となり
その頃から小さな事件、大きな事件で新聞に掲載される機会が増え始め、
最悪時には校長とコーチなど、大半の関係者が逮捕され、校長は刑務所に
収監されましたが、それでも細々とした需要はあり、残ったコーチたちの
手によってスクールの運営は続けられ、校長も出所後には現場復帰して、
現在は年間70回程度の講演を続けています。

ヨット訓練中に一人の生徒が亡くなり、遠征訓練に行く途中のフェリーで
一人の生徒が海に転落して行方不明になる事件が起きたことで、一時期は
戸塚ヨットスクール自体を全面的に罪悪視する風潮がありましたが、実際
に卒業した生徒へのインタビューなどを通して、当時、在学していた生徒
たちがどのように感じていたのか、など学校の真相に触れることを目的に
製作されたテレビドキュメンタリーをさらに編集して、未公開映像も加え
完成させた映画「平成ジレンマ」が四年前に公開されました。



戸塚ヨットスクールの前を偶然通りかかった暴走族の一群をコーチたちが
木刀で襲撃するという事件もありましたが、その時も新聞の論調はコーチ
の批判に集中し、深夜に迷惑な暴走行為をしている暴走族に対する批判は
皆無だったのが非常に気持ち悪くて、報道機関の公平性を疑い始めたのは
この事件がきっかけでした。

暴力で自主性を抑圧するというように解釈される人が大半の世の中なので
戸塚ヨットスクールの教育方針が全く受け入れられないのはわかりますが
一方的な視点からだけではなく、真逆な視点で物事を見るのに良い機会と
思いますので、ビデオがあれば見ていただきたいと思います。

個人的には教師の暴力が普通の時代に学校に行っていましたから基本的に
教育としての暴力は容認する素地はもっています。

中学生の頃、この先生には叩かれても仕方ないと思える先生と、こいつに
だけは叩かれるのは許せないと感じた先生がいました。

教師は気付いていないかも知れませんが、その先生が何とかしたいという
気持ちを持って暴力に訴えているのか、ただ単に指導力不足で殴ることで
力を誇示しようとしているのかは生徒は勘づくものなんですよね。

そんなわけで、教師の暴力は全てにおいて悪いことだとは私は思いません
が最近の教師の性的に不適切な言動や上下関係を勘違いしている言動には
許しがたいものを感じているのと同時に、学校に対して難癖をつけている
モンスターペアレントと呼ばれる連中も大きな問題だと感じています。

戸塚宏校長の支持者として、石原慎太郎とか西村慎吾、田母神俊雄などの
勘違い保守勢力が名乗りを上げているのがね…絶対にあいつらと一緒には
されたくないので、それが一番の問題かなと思っています。

戸塚ヨットスクールは、いま――現代若者漂流戸塚ヨットスクールは、いま――現代若者漂流
東海テレビ取材班 阿武野 勝彦 齊藤 潤一 森 達也

スパルタの海 [DVD] 先生、殴らないで!―学校・スポーツの体罰・暴力を考える 体罰はなぜなくならないのか (幻冬舎新書) 「指導死」 ラグビー校長、体罰と教育を熱く語る (小学館101新書)

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