アベノミクスの本音は？

政府の規制改革会議の中に、雇用ワーキンググループという会議体があり
全国転勤が可能で、業務の内容を問わず働き、残業手当を支払わなくても
滅私奉公できる正社員と、地域限定・業務限定・残業しないなどの一定の
既定の中で働く「限定正社員」を増やすルールづくりを検討しています。

現在は無期雇用が原則で、会社都合では解雇が難しい正社員を特定の枠が
あることを理由に解雇することが簡単になる法律であり、現時点ですでに
顕在化している、多くの若者が正規雇用に就けない状況をさらに悪化させ
勤労者の大半を有期雇用化しようとする政策であり、日本の労働者は更に
職を失い、大昔のブルジョワジーとプロレタリアートの二極化が進む方向
へと舵を切ろうとしています。

ワーキンググループのメンバーは、正社員を解雇しやすくすることで雇用
の流動化が進み、会社が雇う人を増やしたり減らしたりしやすくすること
で経済活動を活発にすることが出来ると言っていますが、ここで話される
経済活動というのは企業の収益を上げることに特化されているわけであり
社会全体が潤うという話ではありません。

この政策提言のもっとも大きな問題は、この政策を推し進めようと会議に
参加しているワーキンググループのメンバーが経営者と机上の論理でしか
物事の見えない学者連中で構成されていることで、労働者側の代表は全く
参加していませんから、まともな方策が出て来るわけがありません。

貧乏暇なし、働けど働けど我が暮らし楽にならざり、ということで気力の
萎えた労働者が失業しても失業給付の給付条件は厳しくなり、給付期間も
短くなり、生活保護を受けようとすれば、金持ちの子女である国会議員に
不正受給だと糾弾される世の中で、一般労働者はどうすればいいのか？

自殺者が三万人を切ったと国会議員が表面的にだけでも喜んでいますが、
数年以内に、自殺者が五万人を超える時が来ることを危惧しています。

その中の一人が自分でない保証など、どこにもありません。

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